3. 建築設備の評価の取り扱いに関する調査研究
1 はじめに
建築設備評価は、家屋評価の中において何かと問題が生じやすい部分別である。建築設備評価に関する問題が生じやすいのは、次のような建築設備の特性によるものではないかと考えられる。?@建築設備は、技術の進歩が早く、陳腐化が激しいことから建物に比べ耐用年数が著しく短い。?A建築設備は、単にものの集合体でつくられているものは少なく、システムとして構成されているものが多い。?B建築設備は、建物と同等の長い寿命を持つ部分と機能を保持していくために堪えず部品交換が必要な寿命の短い部分とが混在し構成されている。?C家具的に機能、装置が完結しているものもある。
このような建築設備の特性が、現行の固定資産評価制度の中に、まだまだ巧く生かされていないことが、建築設備の評価を難しくし、かつ問題を発生させている原因ではないかと考えられる。
今日まで建築設備評価に関する問題は、問題が生じるとその都度対処療法的に処理を行ってきた。しかし、建築設備の性能の高度化、機能の多様化は、ますます進展していくものと考えられる。また建築工事費構成の中においても約3割以上を占めるような事例も多くなってきている。
このように建築設備は、技術進歩も激しく、家屋評価に占める重みも大きくなってきており、その評価のあり方について抜本的に見直しすることを考えていく必要がある。
そこで、本研究は、現行の固定資産評価における建築設備評価に関する問題点を洗出し、建築設備評価のあり方について検討し、納税者に分かりやすく、かつ客観的で簡略な建築設備評価方法を確立するための基礎資料を得ることを目標としている。本稿においては、建築設備の中で最も評価が難しいと考えられる空調設備を主体に検討をしてる。