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いをしたいのですが、やはりナショナル・トラスト協会の本部の機能というのも、正直言って、財政的には、それから専従体勢から言えば、非常に貧弱と言って決して過ぎる言葉ではないと思います。例えばイギリスの場合に、ほんとうに一流企業の人たちから引き抜いて、そしてそういう人たちがその運動を支えてくれる。特に若い人たちがそれに参加をしてくれるということを木原先生から聞きました。私はそういう意味では、ぜひそういう運動にかかわってほしいものだと思います。

あと3分ですから、もうこれでやめますが、最後の国際的な協力の問題です。日本は例えばC02一つとらえても、実は世界中の、日本を含めて、中国、インドネシア、インドなどアジアで、やっぱり3割5分ぐらいの貢献をしているんです。世界中の3分の1なんです。減らしていくということになったら、日本と、そしてアジアの諸国と協力し合ってやっていけば、3割を更に減らすことができると私は思います。その意味では、アジアのエリアで環境協力をどうやっていくか。

これは環境庁は毎年、実はエコ・アジアという環境大臣会合をやっています。それは行政のレベルです。しかし、できればNGOの会合みたいなことが行われて、お互いに協力し合っていくというようなことを、どこでもいいですから、取り組んでいくという必要があると思います。

幸いに水俣病の教訓にちなみまして、あそこで病理その他の研究をする建物、それから宿泊施設ができました。そこでは水俣病と同じような病気というか、それが例えば中国、インドネシア、あるいはフィリピンなどに出てきています。そういうところを、水俣の教訓をみんなで、医学的にも、あるいはそれを支えていくお互いの生活というふうなことを含めて取り上げていくようなことができれば、アジアの交流も進むし、併せてそうした不幸な実態というものに対して少しでも改善をする道が開けはしないかと思います。

実は、できれば来年、再来年ぐらいには何とかして実現したいと思っているのは、中国と日本、韓国もかなり経済成長が高くてちょっと大変だったんですから、インドを含めた、アジアのかなり突っ込んだ、非常に専門的なセミナーというかシンポジウムができないものかなと。そしてリオ・ファイブは去年だったわけです。リオデジャネイロから5年目。今度はニューヨークの国連総会でやったんですが、そこから5年目。2002年にはもういっぺん国連の環境特別総会というものが予定をされています。そこでは日本の私どもの提案で、アジアの途上国でやろうというところまで来ています。

できれば北京でやりたいのです。人口から言って、日本の十数倍です。日本が一生懸命に努力しても、十数倍のあの広大な面積で汚染が広がっていけば、まさに駆け足でかなり汚染が広がっていくわけですから、中国がもうちょっと積極的な取り組みができないか。それに対して、財政的にも技術的にも日本が協力をするという関係ができないかということを、今月中に議論をしてまとめていこうとしています。そして政府はあまり前へ出ないで、NGOが前へ出て、そして、しかし、政府も後援をするという形で、アジア地域の、特に中国を中心にした環境協力。そしてできればリオデジャネイロのあの環境特別総会と同じようなものを北京でやれないかなと思っています。

そしてそれにはやっぱりお金がかかるわけですから、そして技術移転を求められる

 

 

 

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