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前に、国会のほうはお許しが出たそうだから議長を引き続いて務めるようにという指示があって、京都の駅からまた戻ってきて会議に参加したわけであります。

その時に忘れもしないのは、会議の席上で、国会のほうで用事が急にあって行かなきゃいかんと、赤尾大使を代理に立てて皆さんのご協力をいただきたい、グッドバイ、サンキュウというわけであります。あの人、英語上手ですから、私ども、分かりませんけれども。だから、外国の人たちにしてみれば、特に新聞記者は、いったいこれは何だという話になったわけであります。お陰様で皆さんのご協力を得て戻ってくることができて、そしてまた本会議の議長を務めることができるようになりました。

なんで私がこんな話をするかということですね。それは実はリオのサミットの時もそうだったんですが、これは実は半分私どもの責任もあったんですけれども、PKOの例の堂々巡りの時でした。私はリオへ国会議員団代表で行きまして、早いめに帰ってきました。そして議場閉鎖でぐるぐる、ぐるぐる投票をしているわけですから、牛歩戦術含めて。宮沢総理大臣、出られない。逆に言うと、宮沢さん、缶詰めにしようみたいなことも気持ちの上になかったと言ったらうそになる。ただ、帰ってきて、こんなことをやっていたら世界に恥かくぞと思ったから、当時は社会党でございましたが、社会党の委員長、書記長にお話をして、政治休戦。そして総理がリオへ行って帰ってくるまでとにかく休もう、つまりそのままの状態でリオから帰ってくるのを待とうと。帰っておみえになったら、またヨーイドンで始めようということで党はまとりました。自民党さんもだいたいそういうことになるだろうと思ったんですが、最後に、こんなことを言って社会党のペテンにかかっちゃいけないから駄目だということで結果的には話が壊れました。

そんないきさつがあったものですから、今度は本当のことを言ってピリピリしました。だから、何とか議長がいないというのはいかんぞという話でお話をしたわけであります。

最終的には議長が何とか参加できたのですが、国会のほうが大事。国際的な会議、とりわけCOP3の重大な意味というものが、日本の国会議員の中でどれだけの人がそのことを自覚し、その成功のためにご配慮をいただいているのかということを見透かされたような、何が大事かという、その順序が間違っているように思われてなりませんでした。二つのエピソードを挙げました。

日本の環境行政は、一つは、国内的に見ると、大事だというスロガーンやキャッチフレーズはあるけれども、政治の舞台で具体的に積み上げていくという段取りにまだ少し距離があるなということが一つです。それからもう一つは、COP3などという地球環境の問題について、日本の政治が十分にこたえきれていない。

私は、環境行政というのは、現実の姿の中でそこらあたりからみんなで考え直してみなければいけない。そうでなかったらCOP3の議定書ができ上がって、具体的に取り組んでいくという時に、日本の責任というものをどこまで果たすことができるだろうか。正直ちょっと心配になってきました。国内政治優先、あるいは開発指向優先という感じがいたします。だから、ひところと比べればかなり変わってきましたけれども、このへんでもういっぺん私たちのあり方というものを振り返ってみる必要があるなと思い

 

 

 

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