「21世紀に向けた地球環境政策」
岩重寿喜男 当協会顧問 元環境庁長官
司会 それでは、今回の環境とナショナル・トラスト講座「21世紀に伝えたい環境」をテーマといたしました2日間にわたります講義の最後の締めくくりを、岩垂寿喜男さん、私ども社団法人日本ナショナル・トラスト協会顧問であり、また元環境庁長官であります岩垂寿喜男さんにお願い申し上げます。テーマは「21世紀に向けた地球環境政策」でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)
岩垂 雪の中を2日間、私自身も協会にかかわっているものですから、雪が降って、明日は駄目だろうなという感じでありましたが、昨日、ここに来まして、ほんとにたくさんの皆さんが、しかも、全国からお越しの模様を目の当たりにして、皆さんの熱心な、このシンポジウムを成功させようという熱意に心からお礼を申し上げたいと思います。しかも、お忙しい皆さんが、行政の人を含めてご参加をいただきました。だから、協会が、恐らく惠さんのことだから、木原さんと相談をして、毎年こういうことをやっていこうというようなことをお考えになっていらっしゃるんではないかと思います。惠さんもかなり粘り強い方ですから、毎年正月は出させられるのかななどということを、今から懸念をいたしております。
しかし、本当は今ごろが一番いいんですよね。みんな正月だっていう気持ちが強いし、年のはじめにこうしたシンポジウムに参加をしたと、今年1年はそんなことについて頑張ろうと、そんな気持ちを持っていただける、1年の計を立てる出発点と、そんな意味で、まあ、よく9日、10日だなんて言えるものだと私も思いますけれども、それよりもご参加をいただいた方々に心からお礼を申し上げたいと思います。
もう昨日、今日と専門の皆さんのお話を伺ったわけでございますから、私は別に専門家ではありませんし、長いこと政治にかかわってはいましたけれども、決してそういう意味での専門を持ち合わせているわけではありません。ただあるのは、環境行政に多少ともかかわったということに尽きるわけでありまして、皆さんの前でお話をする資格などはありません。したがって、漫談をやりながら、皆さん、大分飽きてこられたと思いますから、少し気持ちをほぐすつもりで話をすることをお許しをいただきたいと思います。
衆議院議員として24年間、8回選挙をさせていただいて、連続当選をさせていただいたんですが、ずっと環境委員会に所属をさせていただきました。少し切れたことはありましたけれども、だいたいつながっているように思います。だから、最長不倒距離なんて言いません。時間的な長さということだけで言えば、時間的には一番長い、国会で環境にかかわってきた1人だと申し上げることができると思います。長いだけで、あとは別に能があるわけではないんですが。しかし、24年間たちますと、環境庁なら環境庁の役所に入った諸君ももう課長さんになりそうな人たち、質問を取りに来てくれた人たちがもう課長の古手になっていらっしゃるというふうな意味では、長いということは長いということだけの意味はあるなということを感じます。
その間に、実は自然保護議員連盟をつくって幹事長の仕事をさせていただいたり、環境委員会の理事などをずっと務めさせていただいて、その点では皆さんとの接点がかなり大きかった、長かった、こんなふうにも思います。だいたい環境庁なり政府に対し