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これは中国の成都の郊外に都江堰という2000年前の大農業水利開発事業があるんですが、これは治水のメッカですから、そこへ行くといろんな記念碑が建ってまして、その記念碑の一つに、水を飲む者は源を思え。つまり、その井戸の水を飲む時は、その井戸を掘りあてた賢人に学べ、その井戸を掘った労務者の労に報いよ。現代語に訳すれば、都会で蛇口をひねって水を飲まれる方は、そのために上流のダムに沈んで、先祖伝来の家を離れなければならなかった人が大勢いることを思ってください。これは水というものについての一つの考え方の基本であろうと思います。

 

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これは昭和6年に信濃川の工事が、完成した時の当時の建設省の幹部がつくった記念碑ですが、信濃川の大河津分水という大工事ができ上がった時に、「万象ニ天意ヲ覚ル者ハ幸ナリ。」よろずの現象に天の意。だから、これは翻訳すれば自然の法則ということと言ってもいいのかもしれません。よろずの現象、これは河川工事の記念碑ですから、川に関するいろんな現象に自然の意思、これは天の意が分かる者は幸なり。人類のため、国のため。日本語とエスペラント語で。当時、責任者が大変国際的感覚のある人で、これは新潟県の工事ですが、新潟県の河川工事をする時も、決して新潟県のみのためではなくて、人類のために自分らはやってるんだ。これは青山士(あきら)という方ですが、大学出て、すぐパナマ運河を堀りに行った方です。大学出て、今、自分が人類のために一番なすべきことは何か。それはパナマ運河だと言って、パナマへ行った方です。

 

 

 

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