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これは山口市を流れる一の坂川。椹野川の支流の一の坂川で、これは生態護岸の先駆例です。ここの川が洪水対策でだんだん治水工事が進んできました。三面張りの工事が行われてきて、いよいよ山口市に入るところで住民運動が起こりました。ぜひあんな三面張りはやめてくれ。昔のようにホタルが飛び交うような川にしてくれ。そこで市の河川課の人たちと協力して、これは1970年代ですから、生態護岸の先駆者です。そしてこういう護岸をつくりました。石積みで、川底にヨモギを生やして。ただ、治水対策ですから、断面積を大きくしなければなりませんから、川底を随分掘りました。昔より深くしました。ただ、実はこの石積みの見えないところに鉄筋コンクリートが隠れているところがミソというか、鉄筋コンクリートは強度が強いです。しかし、生態系を考えた、ホタル護岸工法と言っておりますが、先駆者。住民運動と一体になって河川行政が行った。今はこういう護岸が随分あちらこちらありますけれども、70年代は大変例外的です。

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最近は河川工事も環境ということをよく考えるようになりまして、多自然型河川工法というのはご存じと思いますが、砂防もなるべくコンクリートを使うまいというので、これは河床を固める流路工というんですが、これも石積みの流路工。長良川の支流で、こういう環境を考えた砂防事業が行われるようになりました。

 

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これは奥入瀬川です。奥入潮川もこういう砂防です。

 

 

 

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