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阿武隈川、宮城県の吉田川、このへんが大水等になった。

これは阿武隈川の例を一つだけ申し上げます。これは郡山で、阿武隈川へ逢瀬川という支流が入ってくる。この袋になったところが、ここだけで250億円の被害が出た。ハイテク団地だったんです。ここでは、昭和23年のアイオン台風の時にもちろん同じような水のつかり方をしていますが、その時はハイテク団地はまだできていませんでしたから、被害はほとんどない。つまりこういう合流点周辺は遊水池なんです。この団地を立地するときにはそういうことは分からなかったんでしょう。東北新幹線がやがてできるぞというころから、この阿武隈川の至るところの支流のこういうところがハイテク団地になったり流通団地になりまして、案の定この台風時につかったわけです。つかるようなところへ立地したわけです。多分地価が安かったんだろうと思います。

 

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これは1981年の東京の水害で、これは高田馬場あたりの神田川です。あふれているところです。神田川の治水というのは昭和10年代に終わったんです。ところが、戦後、神田川の流域に猛烈に宅地開発が進んで、洪水の出方が変わって、新しい水害、都市水害が起こってしまった。

全く同じ時に、これは江戸川橋の交差点で、椿山荘の近く。これはマンホールが飛び出してるところです。東京の下水道は時間雨量50ミリを対象にしてます。この時、時間雨量70ミリ降りましたから、設計どおりあふれているわけです。(笑)

 

 

 

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