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こういうことで、実は平成7年に地方分権推進法という法律をつくりまして、いよいよ動きだしたわけでして、それに基づき、地方分権推進委員会というのが同時に発足をいたしまして、昨年ぐらい、いろんな地方分権推進委員会から勧告が出たということがニュースで出ましたので、皆さん方もご承知だと思いますが、その中身は、機関委任事務を通じまして上下・主従の関係であった国と地方の関係を、対等・協力の関係にしなければいけない。そういった意味では機関委任事務を、もう国の仕事でなくて、地方の仕事に、責任にしますということで勧告がなされまして、今、いろんな制度改革がなされようといたしております。
ちょっと要領が悪くて時間がなくなってきましたので、以下簡単に申し上げますが、では、今やられていることで問題が解決するかと言うと、私はなかなか解決しないと思います。一つは、ほんとに対等・協力の関係にするんだったら、権限だけではなくて財源的にもきちんと地方が責任を持ってやれるような仕組みにしないといけません。
実は、財源的にも3割自治と言われるような実態になっていまして、皆さん方国民全体が納める地方税は全体の税の3割です。7割が国税ということになっています。しかし、実際、仕事をしている仕事量は逆転しまして、国が直接やっておりますのは3割なんですね。7割は地方自治体、都道府県と市町村が行っているわけです。財政的な仕組みはどうなっているかと言うと、国税で入ってきました全体の7割のうちの4の部分は、国から地方のほうへ補助金とか委託金とか負担金というような形で移転されるわけです。したがいまして、最終支出は、国に全体の税の7割が入ってきますけれども、そのうちの4は地方に渡しますから、仕事として直接使うのは全体の3割。地方のほうは3割の税収がありますけれども、国のほうから4割が来ますから、全体の7割の仕事をやるということになっているわけです。この4割の部分が国から地方へ移転される段階で、国の仕事でありますからコントロールがついておりまして、地方が自由に使えるというわけにはいきません。そういう形で財政的にも自治が確保できない。こういう形になっております。
より基本的には、国と地方の関係について、国にどういう仕事をやってもらって、地方にどういう仕事をやってもらうという仕組みにするか、この基本原則についての国民的なコンセンサスができていないんですね。そういうことを決めている法律がない。
したがいまして、私が今からやってもらわなきゃいかんと思っておりますことは、地方自治基本法というような法律をつくりまして、国はこういう仕事をやる、地方はこういう仕事をやるということについての基本的な責任分担をきちんとさせていく。そしてそういった仕事をやれるような財政の仕組みをつくっていくということが、私は大切なことなのではないかと思います。
資料も幾つか、これはもう皆さん方、ご承知のことばっかりですから、あえて説明は省略いたしますが、なぜこういう資料を皆さん方のところにお届けしたかということだけお話をしたいと思います。資料1は、世界と日本の人口の推計であります。AD元年の時の世界の人口が2億ないし4億だと言われてます。西洋の産業革命が本格的に実を結びだしたのが1850年ですから、1850年の欄を見ますと、11億から14億ということで