夫をこらさなければなりません。環境問題というのは、国際企業にとって大きな問題で、重要な課題になってきています。しかしながら、例えば英国の中で、企業がその地元にとって非常に大切なものに対しても支援をするということもあるわけです。
英国にはビジネス・イン・ザ・コミュニティーという団体があります。これは地域社会におけるいわゆる企業市民が、いかに絆をその地域社会とつくっていくかということを担当する団体であります。また、パーセントクラブというのもございます。これはもともとアメリカの着想だったわけですが、多分日本にもおありかと思います。
また、大変幸せだと思いますが、ABSAという、これは芸術支援企業連合団体と訳しますか、こういった協会もございます。日本もこのような団体をお持ちだと思います。英国におきまして、ABSAは、政府になり代わって補助金等を提出する制度などを運営しております。例えば、芸術やさまざまな伝統等の技術、活動に対してスポンサーシップを持ったことのないような企業がABSAに頼みますと、ABSAが仲介しまして、さまざまなプロジェクトをお世話するという団体です。
例を引きますと、このABSAのお陰でレイルトラックという会社、この企業は英国の鉄道や駅などを運営しているわけですが、この会社がスポンサーとなりまして、保全活動として、ファウンテン・アベイのエステートを保全するという事業のスポンサーになりました。ABSAのお陰で企業の資金をいただいたわけですので、我々としては、そのマッチング部分のみだけを担当するということで、倍の仕事が私どもとしてはできることになりました。
ということで、企業の側としても、2倍の事業活動に対するスポンサーシップを担当することができることになります。ABSAに対して政府として拠出しなければいけない資金が半分、50%で済むということですから、政府も大変歓迎しています。
結びに当たりまして、二、三具体的な事例をご紹介してみたいと思います。
まず、ゲイルス・ハニーという会社がございます。75年の社歴を持つ会社で、英国で評判の製品をつくっている会社です。ミツバチと何か関係のあるようなプロジェクトに対して支援をしたいという希望でした。ただ、ナショナル・トラストとしては、即ミツバチと関連しているようなプロジェクトを持ち合わせていませんでした。多くの見学者の方々が私どものプロパティに見学にいらっしゃるわけですので、あまりミツバチがたくさんいても困るということだったのです。私どもは、いろいろと想像力を駆使して、工夫しました。創意工夫の結果、企業がいわゆるミツバチにとって大切なものを普及するような事業に参加なさればと思ったわけです。ミツバチにとって大切なものは何か。それは花です。ですから、花の咲き乱れた牧草地と思いました。全国8カ所、こういった草地を選びました。そしてゲールス・ハニーは1カ所に対して100万円ずつスポンサーとして拠出するということにしたわけです。
ゲイルス・ハニー、そしてナショナル・トラスト双方にとりまして、この活動を通じて多くの広報活動ができました。保全の事業をどのようにやっているか、これらのことを喧伝できたわけです。お陰様で大変成功したために、このゲイルス・ハニーは、本年、再度ナショナル・トラストと一緒に事業をしようと言ってくださっております。
7年にわたりまして、バークレー銀行は私どもの学童用の演劇公演シアターに対し