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助金は、私どもの収入のわずか11%にしかなっておりません。

しかし、英国におきましては、公的措置としまして、個々の人が非営利団体に対して贈与するということを奨励するような立法的な枠組みがございます。例えばある個人が慈善団体に対して、毎年、そして少なくとも4年間続けて寄付をするということに合意したり、あるいは1個人として1回限りでも少なくとも250ポンド(5万2500円になりますが)を寄付すると、政府はその贈与額の30%まで慈善団体のほうに税の還付を認めます。

これはアメリカ合衆国の制度とは違っておりまして、アメリカ合衆国の場合ですと、贈与した寄付者のほうが税の還付を得られるわけです。ところが、英国の場合ですと、慈善団体のほうがそのような税の還付を受けることができます。

ここ近年、英国におきましては、政府によって二つの非営利団体に対する奨励策といいますか、措置が講じられました。1994年、英国では宝くじ(これはナショナル・ロッタリーですが)が発売されたのが一つです。2730億円ということになりまして、そのうちの20%が環境及び保全プロジェクトに向けられるわけです。しかし、この宝くじからの資金ですけれども、プロジェクトの50%のみということになっております。そのために受ける側の組織、団体としましては、頑張って残りの50%の資金を調達しなければなりません。

2番目のものは昨年スタートされた制度で、これは埋め立て税のための税優遇制度ということです。

英国の場合、廃棄物の処理の仕方としましては埋め立てが多くて、埋立地というものが設けられております。ということで、昨年、英国政府が、新税を導入いたしまして、このような埋め立ての施設の事業者に対して課税することにしました。政府に対して満額納税せよということのかわりに、これらの埋め立て施設事業者に対して、80%を大蔵省へ、つまり財務省へ、そして残りの20%を環境プロジェクトに投入するようにというふうに命じました。これは政府としては実現可能ということで、新税を財源として確保することによりまして、毎年1050億円の収入が計上されてくるからであります。また、同時にこの新税の導入によって、年間当たり210億円を環境プロジェクトに投入できることになります。全く大蔵省からの予算を割くことなく実現できるわけです。うわさによりますと、この新税の導入というのは、ある晩、酒を酌み交わしながら、ブランデーをひっかけながら、大蔵大臣と環境大臣が思いついたということだそうです。

次に個々の支援者の方々に、私どもがどのように応援の働きかけをしているかご紹介します。

最も効果的なやり方は、私どもの施設を見学をしてくださっている時に募集をするということであります。言い換えますと、ビジターの方々がザ・ナショナル・トラストはいったい何なのかを実感していらっしゃる時にこれをするということです。ここに示しましたように、私どもが給料を払っております、いわゆる支援者募集のための担当員がビジターに働きかけをしています。

長くとどまって会員としてやってくださればくださるほど、私ともとしては我々の事業活動をよくご理解いただき、そしてその方たちがドナー(寄付者)になってくださ

 

 

 

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