しております。
このスライドが、1897年にザ・ナショナル・トラストが所有することになりました最初の物件です。私どもの創設者の1人でしたオクタビア・ヒル女史が言っておりますが、それを引用いたしますと、この団体がたった1人の先見性を持った、そして慈悲心にあふれたドナー1人によって買われたのではなくて、数多くの、たくさんの人々の援助を結集した形で購入されたことに意味があると言われております。
私どもの事業活動の多くがカントリーサイドの保全ということで地域保全をしております。初期のころの活動としまして、イングランドの北西部にあります湖沼地帯、湖水地帯を保護するということで、 トラストの創設に取り組んだ人々が、大変苦労をしたわけです。その事業活動で活躍しましたのが、ベアトリックス・ポッター女史です。世界的に有名なピーター・ラビットの本の著者として知られている方であります。本を書きましてその印税をトラストに寄付することによって、レイク・ディスクリストを購入するということが実現されたわけです。また、亡くなった時には、ナショナル・トラストに対しまして、いろいろな保全活動のために大変多くの土地を寄付されました。今日、多くの日本からの見学者の方々も含めまして、いろいろな方々がヒルトップにございますポッター女史のホームを見学に訪れるわけです。
地域保全対象範囲としまして、現在、全体としてトラストは60万エーカーを保全しております。このような土地に対して、最近調べましたところでは、40通りもの違ったさまざまなレクリエーション活動がトラストの所有しております土地の上で展開されております。このような活動を、そして保全という意味を損なうことなくやっていくということは、大きな挑戦課題、チャレンジであります。
1960年代に入りまして大きな懸念となりましたのは、英国におきます海岸線をどのように守るかという問題でした。このスライドに写っておりますような大変美しい海岸に対して、宅地開発やレジャー活動が広がり、押し寄せてきたわけです。駐車場、それからキャンピングカーといったものがいろいろと自然景観を圧倒するように広がってしまいました。
1965年、ちょうど日本でのナショナル・トラスト運動が開始されたころになりますが、ザ・ナショナル・トラストとしましてはネプチューン計画を開始いたしました。英