日本財団 図書館


て言えることは、二酸化炭素が増えたり減ったりすると地球の気温が上がったり下がったりしているらしい。

現在、そのことの研究を進めている東大の友人連中に聞いてみましたけれど、東大だけじゃありませんが。今、言えることは、現在、地球物理学者が持っているモデル、そのモデルで計算をすると、炭酸ガスが増えたり減ったりしないとして計算したときの温暖化よりもはるかに大きく温暖化が進んでいる。ほかの要因もいろいろあって地球の温暖化が進んでいる。しかしそういう要因による温暖化の数字よりもはるかに観測された温暖化の速さの方が速い。温度が明らかに上がっていく。これを説明するには、何らかの理由で二酸化炭素が増えているということを考えに入れなければならないということだけが証拠であると言っていました。

しかし、その計算の基礎になっているモデルは、本当に100%正しいかということを詰問されれば、自分たちは確信ありとは言えない。これは自然科学者として当然だと思う。

私は30年前ごろ、地震の予知ができるできると言って提灯持った方の一人でありますが、昨年はできないという結論を最後に出すよりしようがないということにも持っていった人間の一人なので、身にしみてこういう予測というのは極めて難しいものだということを申し上げておきたいと思います。

時間がまいりましたようですから、ここで結論的なことを申し上げましょう。二酸化炭素の公害というのは取り除けていない。何とかしなければならない。しかし、本当に地球温暖化と関係があるのかどうかということに関しては、100%正しいという確信を我々科学者は持てない。しかしながら、どうも関係が極めて強そうだということについてははっきり申し上げることができる。

したがって、もしこれが本当に関係していることが分かった、そして地球が温暖化が進んでしまったという段階になって、にわかに二酸化炭素を減らそうやなんて言ったって無理です。今から減らしておかなければならない。疑わしいものは今のうちから取り除いてゆかなければならないという意味で、二酸化炭素を何とかして出さないように、出したものを何とかして集めて処理する、何とかして海などの中に溶かし込んでしまう、あるいは利用して海草を作る、バイオテクノロジーでもっとバイオマスを作る、あるいはC02を減らす努力をハイブリッド自動車というようなもので努力をしていくというふうなことをする必要があろうということを申し上げておきたいと思います。そして全体の結論は、ここで同じことであります。公害問題、そしてまたエネルギー問題に関しても、特に化石燃料を燃やせば燃やすほど二酸化炭素が出るし、二酸化窒素などが出る、公害が出るわけでありますから、エネルギーを減らせば公害が減るということで、またごみを出さないように努力するようなことで、一人一人が公害やごみを出さないエネルギーを使わない努力をしていかなければならない。自然環境保全に一人一人が努力していかなければならない。国としての開発計画の事前事後の評価を行うべきだと私は思っています。行政改革で私は強くこのことを言います。即ち科学技術や大学や研究所に関しては、かなり厳しくこのごろ評価が行われている。私も評価論者で絶対やれと言っている。大学の教育や研究の評価をしろと言っているわけです。大学の研究

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION