できなくなりましたけれども、化石燃料は公害を起こすということをよくよく認識していただきたい。どういう公害を起こすかということについて、ちょっと申し上げますが、その前にもう一つ、技術を進めるということによってすばらしいことも起こるんだという例題を申し上げておきたいと思います。
それはどういうことかというと、これは家庭用のいろいろな商品のエネルギー消費量であります。例えば一番いい例、皆さんのお家にある冷蔵庫を見てみますと、1970年ごろ、即ち日本で大学紛争が嵐が吹き回ったころを100といたしますと、現在は何と3分の1のエネルギーで同じ効率の冷蔵庫があるのです。ですから技術を進めることによって明らかに省エネを進めることができる。
と同時に、我々個人個人がエネルギーをなるべく使わない努力をしていくということが非常に重要だと思います。そして、やはり率直に言って原子力はやむを得ない。どんなに反対をなさる方がおられようと、日本の皆様方の家庭電力を十分供給し、日本の産業を保っていくためには原子力は、少なくとも現在の程度の原子力はどうしたって要る。それから先月でしたか開かれた、京都ではあまり大きな声にならなかったけど、本当に、もし二酸化炭素がそんなにも温暖化に大きな影響を与えていて、二酸化炭素を減らさなきゃならないとしたら、電力は現在のところ、原子力を使う以外には二酸化炭素を減らす方法はないよということを申し上げておきましょう。そうすると多分皆さん方の中には不満な方がおられる。太陽エネルギーだって出さないじゃないかとおっしゃる方があるんですけれども、太陽エネルギーを利用するためのバッテリーでも、火力発電ほどではないけれども、3分の1から半分近く、装置を作るために二酸化炭素を発生するんだという厳然たる事実があることは申し上げておきましょう。
具体的な表をお見せした方がいいですね。これがそれです。一番二酸化炭素を発生するのは何かというと石炭です。それから石油、天然ガス。天然ガスが180、先ほど太陽熱は3分の1ぐらい出すと言ったのは、天然ガスに比べて3分の1ぐらい出すというわけです。太陽熱といえども、太陽電池を作るためには炭酸ガス、二酸化炭素を発生しますよということを申し上げたわけです。ないなんていうことはないのです。発生しないなんていうのは大嘘である。そういうことにごまかされないようにしていただきたい。
これに比べると地熱とか、あるいは中小の水力とか原子力とか、こういうふうなものは圧倒的に二酸化炭素は出さないのです。こういうことをあまりはっきりと国民に知らさないで二酸化炭素を減らせ減らせと言ったって無理です。そういうことを政治家にせよ、マスコミの方たちももっとはっきりと事実を国民に知らす義務があると私は思っている。
いずれにしても、科学と技術をもっと発展させてゆかなければならない。そして原子力に関して言えば安全性を何とかして確保してゆかなければならない。そして効率を向上すべきだと私は思うわけです。
原子力に関して私は大いに文句がある。それはどういうことかというと、30年、40年前に、日本に原子力を導入するときに大々激論を我々はやりました。若手が特に中心になり、私もそのころは30になったかならないかで、毎日のように口角泡を飛ばして議論をした。そのときの結論は、原子力は自主的に民主的に公開をするということで、自