0.25ですね。それ以外の効果を入れますと、0.12というのが現在の現実的な数字である。太陽エネルギーというのはこういう問題があるということを申し上げておきましょう。
もう少し具体的に申し上げます。太陽エネルギーで日本中の電力を現在の技術で賄おうとすると、どの程度の面積を覆わなきゃいけないか。太陽エネルギーというものは大変面積が要るのです。1平方メートルの面積に落ちてくる太陽のエネルギーは極めて少ない。地球は大きい、非常に大きいから、全体をとれば大変なエネルギーになるけれども、一人一人の家に落っこってくるエネルギーってそんな大きなものではない。
そこで日本の電力を全部太陽エネルギーで賄おうとすれば、どういうことを考えなければいけないかというと、房総半島を全部覆って、やっと10分の1です。ですから関東平野の全部の家をどかして、そこを全部太陽電池で覆うということをしなければ日本の電力を太陽エネルギーで賄えない。しかも、夜どうするか、雨の日どうするかという問題を考えなければいけない。こういうところにあまり太陽エネルギーというふうなものを過信し過ぎてはいけないということが私が申し上げたいことであるわけです。
しかし、太陽エネルギーが大いに役立つこともある。一番太陽のエネルギーが強くて、しかも有効なのは夏のお盆のころ、高校野球のころであります。東京電力にしてもどこにしても一番苦労するのは、あのころです。私の親友が副社長などをしていました。その男なんかがよくそのころになると、「切腹しなきゃいけないかもしれんなあ」なんて言うんですね。なぜかというと、電力の需要がどんどん伸びていって、東京電力の発電機だけでは足りなくなる。仕方がないから隣から買ってくるというようなことをしなきゃならんかなんていうことを非常に心配をしてくる。そのときに、もし家庭に太陽電池があって、少なくともお盆のころのテレビぐらいは太陽電池でやっていければ、そうすれば各電力会社が発電機をうんと備える必要はないのです。ピーク時に備えてあるから無駄な電力がたくさん作られているわけです。冬にはそんなに使わない。特に秋口とか春口は使わない。その電力は捨てられると思っていいわけです。電力というのはためることが大変難しい。多少水を下の方から上に戻す、ダムへ戻してためるというようなことをしておりますけれども、その程度ではとても足りない。蓄電池も大変能率が悪い。そういうことから考えまして、ピーク時だけに合わせてある電力というのは極めて無駄なわけですね。だから、そういうところで太陽電池が使われれば大変すばらしいわけであります。
まとめますと、太陽エネルギーをもっと有効に使おうではないか。太陽電池の効率は現在10%の程度だけれども、何とかそれを上げてゆこうではないか。技術的な努力をすることによって20%ぐらいには上げられるかもしれない。20%ぐらいになれば、今の半分ぐらいの面積でやれるようになりますし、いいことだというわけですね。
現在の技術では、東京電力の原子力発電と同じ量を発電するには東京都全体を太陽電池で覆わなきゃならない。そうすると、皆さん、何を言われるか。私も言いたいことは、ゴビ砂漠があるじゃないかということです。ゴビ砂漠に太陽電池をワーッと入れたらどうですか。ところが問題はそこからどうやって電力を日本に持ってくるのか。このごろ中国で三峡ダムの話がある。三峡ダムで発電した電力は北京や上海まで持ってくることはほとんど不可能です。電力というのは遠くへ持っていけないものです。大変効率