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でミュンヘン工科大学の教授をしていた人は、原子力発電機をどんどん作れ。その上で太陽バッテリーをどんどん作れ。なぜ原子力かというと太陽バッテリーを作るにはものすごくエネルギーが要るんです。炭酸ガスを出すのです。後で炭酸ガスをどのくらい出すかお見せします。だから太陽エネルギーといえども、何にもしないで太陽のエネルギーを使えるわけではないのです。非常なエネルギーを費やして太陽バッテリーを作ることができる。

その電力はどこから持ってくるか。そのために石油を燃やしてしまったら元も子もない。しからば、むしろ炭酸ガスを出さないような原子力発電機をどんどん作って、その原子力発電機でたくさんの太陽電池を作って、その上で原子力発電機を増やすということは、その辺でストップするというようなことがあり得るだろう。これが森永さんの説であります。ともかく核融合は非常に難しいということを申し上げておきましょう。

問題はどういうことかというと、この表は多分皆様方は何回かご覧になっていると思います。問題は、要するに人類がエネルギーを使い過ぎているということです。私は血糖値が高くなってしまったものですから、酒を飲んじゃいけないと言われるし、食っちゃいけないと言われて大変困っているんですね。毎日1万歩歩く。きのうも雪の中を1万歩歩いたら、さすがに転びそうに何回かなりましたけれども。毎日2キロ、2000キロカロリーぐらい摂っていりゃいいんですよ。糖尿になると必ず1日、1800キロカロリーと言われますから、皆さんは言われていらっしゃらないかもしれないけれども、ご同情くださる方もおられると思う。せいぜい2000キロカロリーあればいいんです、原始人も我々だって。

ところが、ジェームズ・ワットの大発明によって蒸気機関が作られて産業がどんどん発達した結果、現在はどのくらい使っているかというと、一人当たり原始人の200倍も使っているんですよ。これを減らさなきゃいけない。新聞紙をたくさんこのごろ刷るようになりましたが、あれも減らせ、紙を大切にしろということから、ご自分の周りの、私もその点では劣等生ですけれども、ご自分の周りでごみを出さないということをするだけでもよくなると思う。ともかく原始人の200倍もというか、人間が生きていくための必要な最小限のエネルギーの200倍も使っているということが大問題なのです。 

もう一つ申し上げておきましょう、不気味なことを。実は、後で申しますけれども、石油や石炭を使っている大部分は実は電力でないということなんです。皆さん、そう思っておられないと思う。電力は太陽電池でやれるようになったって、それ以外にうんと消費しているということを申し上げておきましょう。製鉄に使うとか、自動車で燃やします。まず自動車。自動車に電力自動車ができてきたじゃないかとおっしゃる方があると思う。確かに走っているときは電力。その電力は何が起こすかと言ったら、やっぱり石油を燃やしちゃう。そういうことを後でもうちょっと申します。ちょっと横道に入りますが、私は自動車の数に興味を持ちまして、日本が1965年ごろ、今から30年ほど前に、一体自動車、乗用車を含めて4輪以上の自動車がどのぐらいあったんだろうかと見ましたら、そのころ約600万台あったのであります。それが現在どのぐらいかというと、6500万台ということになってきました。

ここで興味があるのは何かというと、中国なのです。中国の数字を見てみたいと思

 

 

 

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