んかには、そのうち廃炭鉱を買っておけと言ってください。必ずそのうちに廃炭鉱がもう1回、掘り返される時代が来る。技術が進み、値段が少し高くてもいいという時代が来れば必ず復活するということでありますが。
現在の料金ではどのくらい持つかということを最初に申し上げます。石炭は300年程度。石油、天然ガスは50年とお思いください。皆様方は亡くなるまで、私も含めて大丈夫です。しかし、お孫さんの世代になると危なくなってくる。しかしながら、この50年ということはもう20年前ぐらいから言っていて、まだ50年もつと言う。ということが私も気になりまして、私は極めて好奇心が一方でありながら疑い深い人間で、科学者というのはそうであるべきだと信じています。疑い深いので、本当に科学技術庁や通産省や電力会社が言うとおり、そんなにすぐにエネルギーがなくなるんだろうかということで調べてみたことを今から申し上げてみましょう。
もし2倍、今、石油を掘っている値段の2倍ぐらいまで出せば80年は持ちそうです。しかしながら新しい油田の発見が殆どないというような不気味な傾向もあるので、今から申し上げます。まあ、80年というのが多分非常に現実的な数字じゃないでしょうか。足りなくなりゃみんなお金を2倍ぐらい出すことに文句をおっしゃらない。それからまた多分そのころになれば技術が進んで、石油や天然ガスを掘る力が我々にもできてくると思いますので、今よりは掘りやすくなる。深いところを掘る。例えば海の底を掘る。中国とベトナムとフィリピンがよく議争している、あの辺の海、深い海に井戸を掘るというような技術が進めばまだ続くと思います。
太陽エネルギーや風力は絶対使わなければいけない。絶対使わなきゃいけない。ですから、これから建つ家は全部、せめて3キロヮットぐらいの太陽電池は備えるべきだと私は思っている。少しぐらい騒音があってもいい。5月の吹き流しの、あの風車ですらうるさいとおっしゃる方がこのごろいる。あんなもんじゃない、風力を使うときの恐ろしい音というのは。そのくらい我慢しろと。その上で風力を使いなさいと言いたい。しかし、風力でやる有効量なんていうのはせいぜいお米を磨くぐらいなものです。粉を、麦の粉を作る程度であります。
しかし、もっと重要な問題について、あと具体的に申し上げますけれども、太陽エネルギーというのは極めて面積当たり少ない量しか来ない。これでもってどれだけの発電ができるとお思いなのかということを今から皆様方にお聞きしたい。新聞やなんかはもう太陽エネルギーをやればいいよなんておっしゃる人がいる。極めて有名な識者がそうおっしゃる。そういう人は本気なのですか、本当に科学を知っているのですかということを私はお聞きしたい。だからユートピア的な楽観論は無視しなきゃいけない、否定しなければいけない。しかしながら太陽や風なんかのエネルギーは絶対使うべきだということを申し上げておきたい。現実は現実として考えてゆかなければならないということであります。
核融合があるではないかとおっしゃる方があると思う。これは究極的なきれいなエネルギー源と言われている。私もそれに非常に近いところで研究していますが、あと50年は駄目だとお思いください。非常なお金を使っても、まだ難しい。
そこで最近は私の友人の森永晴彦さんという東大の教授をしていて、ついこの間ま