(4)地価の抑制。開発利益の吸収方法
ア 地価の抑制
地価の抑制については、報告の中でいくつかの手法が述べられている。この中で先買い権について「土地の取得を行う十分な能力を有する事業主体を国が設立した上で、移転先地が選定された段階において、その圏域内の土地取引について事業主体に先買い権を付与する」として、「その買収価格は移転先地の決定以前の地価を基準とする」としている。
国が先買い権を行使する場合、対象が公共性、公益性が強いものでなくてはならないのではないかとする意見があった。
いずれにせよ、地価抑制対策は建設段階における重要な課題の一つとなるであろう。
イ 開発利益の吸収
土地の値上がり益等により、開発業者に開発利益が帰属することになるが、これをどのように地方公共団体側に移転させるかについて検討が必要である。
特に国会都市などの中心部よりも、むしろディベロッパー等が入ってくる周辺部分で相当バブル的な投機行動が出る可能性があり、この開発利益の吸収が一つの課題となる。
周辺部は人口も増加し、住宅.学校など財政負担が必要となる。また、交通が編擦化するなど外部不経済が発生する。開発主体から開発利益を吸収して、必要な整備等を行うことを検討することも必要である。