(参考)筑波研究学園都市建設に係る財政上の特別措置等
・新都市の建設は、筑波研究学園都市建設法に基づいて行われるものであり、国の試験研究機関、教育機関等の集団的建設を主体とする大規模な事業であった。
このような研究学園都市にふさわしい都市環境を整備するために必要な公共公益施設の建設等については、その経費は多額にのぼり、他方、商工業の集積に伴う法人関係税収入の増加を期待することはできず、また教育研究機関からの固定資産税収入等も予定できないことから、関係町村(当時)の財政力を持って対処することは困難と認められた。
・このため、研究.学園都市建設推進本部幹事会に設置された財政負担問題委員会(大蔵省、文部省、建設省、自治省及び国土庁により構成)において検討が行われ、昭和50年、上記の特殊事情を考慮して特別の措置を講じるための「筑波研究学園都市における町村財政負担特別措置要綱」が建設推進本部により決定された。
(1)公共公益施設の整備のための財政負担に係る特別措置
昭和60年度までに関係町村(当時)が建設する下記の公共公益施設で、研完学園地区内の試験研究機関、教育機関の職員等の利用に主として供するものの整備に要する費用のうち、国又は県の負担又は補助に係る額以外の部分(原則として地元町村が負担する部分)については、次のような特別措置が講じられた。
なお、この特別措置は、その後、研究学園地区の人口定着が進まなかったことから昭和62年度まで暫定的に措置され、さらに平成3年度まで措置が講じられた。
?小学校・中学校の校舎、屋内運動場及び給食施設(学校に併設されるもの)、消防施設の整備については、地元町村の負担とするが、これを日本住宅公団か慣還期間30年以内(うち無利子据置機関10年以内)の条件で立て替える。
?小学校・中学校のプール、幼稚園、保育所、公民館、児童館及び給食センターの整備並びにこれらの施設(上記?の施設を含む)の用地の取得については、日本住宅公団が支弁する。
(2)筑波研究学園都市対策特別交付金等の交付
・昭和51年度から昭和60年度までの期間(10年間)において、
?筑波研究学園都市の特殊性に基づき生ずる公共公益施設(道路、公園緑地、都市下水路)維持管理等に係る関係町村の財政需要の増大に対処するとともに、
?関係町村が共同して行う周辺開発地区の整備(粗大ごみ処理施設、し尿処理施設、火葬場、消防施設、圏民センター、町村道その他の施設の整備)の推進に資するため、
「筑波研究学園都市対策特別交付金」が交付された。[定額 5億円/年]
・その後、研究学園地区の人口定着が遅れ地方税収にも大きな伸びが期待できず、他方、計画人口に対応して先行整備を行った研究学園地区内の公園緑地の維持管理費が関係市町にとって過大な財政負担となっていることにかんがみ、
?昭和61年度から平成2年度まで、研究学園地区内のすべての公園緑地(79ヵ所)の維持管理費に対する財政措置として、「筑波研究学園都市対策交付金」が交付された。[交付総額838百万円]
?平成3年度から平成7年度まで、研究学園地区内の優れた都市環境を形成する公園緑地(28カ所)の維持管理費に対する財政措置として、「筑波研究学園都市対策交付金」が交付された。[交付総額175百万円]