3 住民の支持
○ 企業の場合は、最終的には売上げや利潤で市場の審判を受けるが、公共部門の場合は住民の支持がその代わりとなる。しかし公共部門、特に地方団体が提供するサービスは基本的に地域独占的であるため、競争性が希薄であり、サービス提供の向上がはかどらない。
○ 情報化はそこに変革をもたらす手だてと考えられる。他の地域のサービスの情報を住民が得られる環境になれば、住民の選択や目が厳しくなり、住民ニーズに合っているか否かが顕在化し、それが行政への要望として形をなすようになる。さらに、それが選挙に反映して、為政者が交代するといったメカニズムとなっていけばよいのではないか。
○ 情報化を行政効率に反映する話は多いが、さらに、行政と住民の関係性を変えていく方向の検討はもっとなされていいのではなかろうか。
4 組織の改革
○ 組織の改革案が出た場合の対応について、企業においては、ディレクターの方向感覚がしっかりしている場合に成功するという構造がある。しかし政治レベルでは状況が異なり、改革案の決定に際して、どこでどうやって確信めいたものを持てるかが不明確である。つまり政策案に対する評価形成メカニズムが、現在のところほとんどないのではないか。
5 組織の破綻
○ 破綻の可能性が企業にとっては非常に大きな力になるが、地方団体は破綻してはいけないという前提で作られている組織体だから、破綻したときの改革は想定していないと考えられる。
○ 市場の場合退出する権利が確保されており、顧客の支持を確保できない企業が破綻しても(他に代替手段があるという意味で)良いと考えられるが、地方団体の場合はそういう訳にはいかない。住民が足による投票をすれば良いという議論もあるが、基本的には住民はそこに居住し続けるしかない。つま