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以上のことから、国の財政支出に対する負担は、関東、東海、関西ブロックが負担(逆交付税)し、他のブロックは負担しない、すなわち、国から地方への財源移転(補助金、地方交付税)を全廃し、国の歳出を地方からの逆交付税などで賄うことは十分可能である。

 

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(7) まとめ

本報告は、21世紀の国と地方のあり方として、

(1) ナショナルミニマムを具体的に明確にした上で、その部分のみの財源補償、財政調整を行う。

(2) 国と地方の役割分担を見直し、違う種類の公共サービスを供給する体制とし、従来の縦関係から国・地方それぞれの自己責任へと哲学を転換する。

(3) 全国10程度の広域自治体の設立や全国300程度の狭域自治体の設立といった大規模な行政合併を進める。

といった地方分権を進め、それを可能とする交付税制度の改革案をまとめたものである。

 

現行の税制と税負担の水準、地域の財政力格差を前提にすれば、何らかの財源の地域間再分配は不可避である。逆交付税制度を多用すれば、地域間の財源再分配効果は完全に働く。

現行の地方交付税制度との違いは、自治体が自己の責任において超過課税するインセンティブが働くかどうかである。つまり、自治体の財源の不足分を国が理論的に算定して交付する今の交付税制度では、自治体自身が自己の責任において超過課税するインセンティブが働きにくいが、国が富裕な自治体に対し国の事務として必要な経費分をあらかじめ課税する逆交付税制度にすれば、所得効果が働くことから自治体の自己責任による超過課税のインセンティブが強く働くこととなる。

 

(小西砂千夫/関西学院大学産業研究所助教授)

 

 

 

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