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ションを創造的・生産的に機能させる基本的大前提である。

情報公開が制度環境として整備されていないと、コミュニケーションの創造的・生産的機能は阻害される。そのため言論によって政策の公共性が鍛え上げられることもない。すると、次のようなことが起こりがちである。まず少数による話し合いは、公開の場でなされたり内容が公開されたりすれば問題がないはずなのに、そうでないために密室の談合だと非難される。また、民意を反映していない非民主的政策だと非難される。こうした非難を無視して独走すれば、既得権益防衛のための反対が組織され抵抗を受ける。それでも強行すると自発的協力が得られないため実行段階で失敗する。そこで、こうしたことを避けようとして、大人数の利益代表者で構成される会議に決定が委ねられがちである。しかし、そこでは、実質的議論が困難なので形式的・表面的議論しか行われない。その裏で、多数派形成をめざす勢力間の談合・取引が各所で行われる。こうして裏側で決まった勢力バランスが形式的多数決の帰趨を制する。そのため、合意は、原理・原則を歪めた、足して二で割るような中途半端な妥協になってしまう。こうした愚行が繰り返され、改善の兆しもないと、ついには民主主義政治そのものへの不信が定着してしまう。人々が創造的合意形成によって現実が改善されるという実感を喪失すれば、言論が衰微し、民主主義は機能しなくなる。情報公開制度は、民主主義を協働と競争によって活性化する基盤的制度環境である。

従来の自治体の最適規模論は、個別事業の規模の経済性を強調してきた。技術・制度を所与とすれば、消防、清掃、小学校といった個別事業には確かに効率的な最適規模がある。もっとも、これらの最適規模は事業によってまちまちだから、最適規模は主要諸事業の最適規模の倍数が重なり合うところになる。確かに、主要事業についてどんなに工夫しても非効率になってしまうような小規模では困る。また、政策の企画・立案に人員を割けないような小規模も困る。現実には、そのような極端に小規模な基礎自治体が多いのも事実であるから、ある程度意図的な合併促進も必要かもしれない。しかし、自己編成力の視点からは、極端な小規模を別にすれば、規模は弾力的に考えてよい。むしろ、地域社会づくりが地域の歴史・文化を破壊するブルドーザーにならないように、両者の緊張関係を創造的合意によって克服し、逆に、地域の歴史・文化を地域社会づくりに活かす圏域設定の方が望ましい。規模再編も含めて、《自己編成力》にとって何より

 

 

 

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