成果:
・農園村のメンバー以外で100人ほどが組合員になっており、直売用の作物を「役場」にもち込むことが農園村にとっても荒川村にとっても大きなメリットになっている。
・農園村でそれぞれの季節の作物を自分の手で採って、それ以外の欲しいものは全村の作物がそろっている「役場」で手に入るので喜ばれる。
・毎年、売り上げは3割アップ、自分たちの作物がよく売れるということで、特に、高齢者の人たちに喜ばれている。
・核となり、イベント的なこともできるので、入込客数も増えた。
・平成元年の「役場」の利用者が、38,151人。
・農園村にいい作物を提供しようというのは全村で共通の認識である。
・市場出荷と観光農園を両方やると、余りものを摘ませてると誤解されかねないので、一度も市場出荷はしていない。万一残ったら個別に売り歩く。
・現在「日野観光農園村」は、埼玉県下でも農園村のモデルとなり、県で農園村構想を打ち出している。秩父周辺で13カ所の観光農園村がオープンしている。
行政対応:
荒川村も観光には力を入れている。
? 村全体に自然遊歩道を整備
? 伝統芸能の保存にも関心
? 荒川沿いにはキヤンプ場、歴史民族資料館なども整備
? 荒川村のあちこちをまわれば、それだけ荒川村で一日楽しめる仕組み
体制:
・独立採算制
・ある観光農園村のメンバーは数千単位で、顧客名簿を持っている。毎年、それぞれの作物の収穫期に合わせて葉書を送る。最近は、観光農園村全体で固定客の比重が高くなり、親身になって対応しようとメンバー間でよくいい合っている。
・観光農園村のメンバーは、それぞれの作物別にリンゴ組合、シイタケ組合などがあり、品種や作り方の研究などは、各組合でやっている。
範囲:
・お客さんの来る範囲は、県内や東京方面を中心に、車でほぼ2時間半のエリア
交流:
・「役場」を中心としたイベントには、一坪農園がある。年間2,000円で、130区画を貸し、春に作付け、9月に中間のイベント、そして秋の収穫と、年間3回の行事を通じて、荒川村と都会、農村と都市の交流を図る。
・50家族が一坪農園を利用し、実際は大まかに二坪くらいの区画で、ほかの畑の迷惑にならない比較的背の低いエダマメ、ハダイコン、サトイモ、ヤツガシラ、ホウレン草、シャクシ菜、それにコマツ菜とチンゲン菜を掛け合わせた友好菜など、指定したものの中から選択してもらう。
・種や肥料は、全部農園村持ち。このイベントは、同じ家族が最低1年に3回、村を訪れるので、お互い名前も覚えて、親近感が湧いてきている。
・3年前から、できるだけ低農薬でいこうと、本気で有機農法を取り入れ、飼育牛をやっているところと提携して堆肥をつくってもらい、年間、トラックで100台分ほど入れている。
今後:
・いずれはもっと広い区画を使って市民農園や体験農園のようなものも遊休地や農地を借りてやりたい。農園村のメンバーの作物は、今のところ、手いっぱいで、これ以上、量も品目も増やせない状態で、やる気があれば、場所はあるので新しいメンバーが欲しい。