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[一般事例] 村の高齢者による農業指導 倉渕村のクラインガルテン

群馬県群馬郡倉渕村

 

発端: 村の産業は農林業主体であるが、就業者の兼業化、高齢化のため、昭和55年以降遊休農地が急激に増大し、60年には60haとなり、深刻な課題となっていた時、ヨーロッパで生まれ育った市民農園制度であるクラインガルテンを見習って実施したらどうかと提案された。

構想: 花と緑を通して、数多くの人びとが体験の場を拠点としながら、心豊かな農村「花と緑の手作り村」を将来像として作り出す。

経過:

? 昭和61年7月、これが日本で可能か研究のためのシンポジウムを開催する。

? 村の要求に答えた財団法人「花と緑の農芸財団」が基本構想を策定する。

? 村は農地をもつことができないということがあり、村長が中心となって国・県へ何度となく農地法改正の陳情を行う。

? 平成元年「特定農地貸付に関する農地法の特例に関する法律」が制定され、事業が可能となる。他にクラインガルテンの前例がなく、試行錯誤の繰り返しと、行政指導の事業のため、村民の理解を得にくい面も多くあった。だが議会と地元の理解と協力があったので、平成元年度より施設整備に入った。

? 平成元年度より五ヵ年間に国・県の補助金を受けて、宿泊用ログハウス、農林漁業体験実習館、ふれあい交流館の主要施設と、農園整備を約8億800万円でほぼ完成させた。

内容:

・農園は現在平均40?のものが249区画あり、187人が229区画を利用している。

・利用者の平均年齢は、約40歳で県外の人が7割を占め、東京、埼玉、神奈川および千葉などであるが、残り20区画は、団体などの体験用として利用している。

施設利用状況:

・農園は実際に来て、自ら耕作できる人を対象に4年契約で使用料は年間200円/?、40?では8,000円であり、農園に来られないときは一作業当たり、1,500円で4回を限度に管理作業を引き受けている。

・農園指導には土、日曜に高齢者が当たり、野菜やいも類の良品質のものを収穫。

・施設は、村内の農業協同組合、商工会、森林組合および村の四者が、第三セクターで任意法人「倉渕村農林業振興公社」を設立し、平成5年4月から、村からの受託管理の実施。

活動:

・都市農村交流や体験事業については、都市住民と村の農業者が、中山間地の活性化のためのフォーラムの開催、有機農業者と消費者の交流会、詩人の谷川俊太郎さんの話を聞く会、有機農業(村内関係者)研修会などを行っている。体験事業では、飾物としての絵皿づくり、ハープ教室、竹細工、農産加工などを行ってきている。

今後:

平成元年より有機農業者が増加、現在15人いる。これは都市農村交流のベースとなりえ、農家においてもよい生産方式となるので今後は、村ぐるみで「有機農業の里づくり」を進めることで都市農村交流を活溌化していくことが重要である。

次期クラインガルテン事業については、民宿方式、または簡易宿泊付き農園とし、一区画を500?ほどとして実施する方向で検討していくべきである。

また、現在の施設に温泉を引いて経営の安定を図ることを目的に、ボーリングが始められているので、これをなんとか成功させたい。

 

 

 

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