(ウ) 医療.福祉の現状と課題
(現状)
○町内には、公立の香住総合病院と佐津診療所があり、公立香住総合病院には、鳥取大学から医者が派遣されている。
○福祉施設としては、地域福祉センターがlヶ所のほか、町立1ヶ所、社会福祉法人2ヶ所の保育所がある。
○医療面が不十分と感じているのは、地元若手グループと若者Uターン者の4割、高校生の約3割にのぼる。医療については、特に、質の高い医療機関を求める意見が多く寄せられている。
○福祉面への不満はさほど強くないが、福祉施設の少なさや高齢者福祉施策の不十分さに対する指摘がある。
○若い母親など子供をもつ若者からは、子供を安心して遊ばせられる公園のようなところが少ないとの指摘もある。
○地元若者グループの中で、今後、福祉関連のボランテイア活動に取り組んでみたいとする人が約3割いる。
(課題)
? アンケートからは若者の医療に対する満足度が低い結果が出たが、このことは、広域に及ぶ医療連携システムが理解されにくいことも一因であると思われ、広報などを活用して広く知らせることが必要である。
○特に目立った福祉機能に対する要望・不満はみられなかったが、老人ホームの不足などが指摘されており、少子化・高齢化に対応した福祉施設・サービスの充実が必要である。
○また、若者の中には福祉関係のボランティア参加を望む人もみられることから、このような人材を育児や介護支援などに活用するシステムをつくることが望まれる。
(エ) 学校教育等(教育機関、学習に必要な商店、塾・予備校)の現状と課題
(現状)
○但馬地域には母都市の豊岡市に短大が1校、専門学校も数校あるのみで、進学希望者の大多数は大阪市や神戸市など阪神方面の都市部に転出せざるをえないのが現状である。町内あるいは通学できる範囲に大学、短大、専門学校などがあったらよいと答えたのは若者Uターン者の6割、高校生の約半数、地元若手グループの約4分の3を占めている。
○県立香住高等学校には普通科のほかに漁業科と水産食品学科があり、町の産業特性を教育現場に活かしてはいるものの、地元就職にはほとんど結びついていない。
○義務教育の現場では、一部の小学校で児童数の減少から複式学級へ移行する可能性が高まっている。
○本町では県が小学校5年生を対象に実施している自然学校を受け人れ、町外の小学生に対して地曳き網や干物づくりなどを体験させているが、町内の小学生に対しては同様の体験メニューが用意されていないなど、地元の子供達は地域学習機会に恵まれていない面がある。
○子供をもつ若い母親からは、町内には幼稚園や小学校の親子レクリエーション行事で利用できる施設がないとの不満の声があがっている。
○学校教育に関連する学習に必要な商店の充実度については、地元若手グループと若者Uターン者の9割近く、高校生の約4分の3が不満と回答している。その具体的な不満点は品揃えについてが最も多かった。
○また、塾や予備校などの充実度に対しては、不満は若者Uターン者の4割、高校生、地元若手グループのそれぞれ3割にとどまった。ただ、個別には予備校・塾の絶対数の不足や質の問題が指摘されている。
○通学利便については、高校生の約6割が不便を感じている。
○「学ぶ」まちとしての総合評価は、高校生の約3割、地元若手グループの5割強、若者Uターン者の7.5割がマイナス評価(「やや悪い」、「悪い」を回答)をしている。