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(4) 若者利便環境充実事業<娯楽・買物、交通、医療・福祉、教育など>

ア 概況と課題

(ア) 娯楽機能・買物利便の現状と課題

(現状)

※ 娯楽機能と買物利便に対する若者のニーズ及び不満点はとりわけ多いことから、ここでは2つに分けて現状をまとめることとする。

 

〈娯楽機能の現状〉

○若者の主たる余暇の過ごし方は、高校生では「ゲーム、テレビゲーム」、「友達の雑談」、「カラオケ」、社会人では「ショッピング」、「自宅でくつろぐ」、「ドライブ」などである。

○高校生、社会人ともに豊岡市、鳥取市に最もよく遊びにいく。それらに次いで神戸、大阪などに行くことが多い。男女を問わず18歳になったら車の免許を取り遠出するようになり(例えばデートでは近隣の都市豊岡、鳥取、峰山、京都などへ行く)、遊び場としての町内の位置づけは下がる。

○町内には飲み屋が多く、若者が必要とするレンタルビデオ・CD店、カラオケボックスもあるが、店数が十分とはいえず、また、閉店時間が早いとの不満も多い。

○町内の遊ぶ場所の評価として、若者の圧倒的多数が多様性に欠けると評価しており、高校生からは公園やゲームセンターなどの身近な遊び場が少ないとの指摘が多い。

○「遊ぶ」まちとしての総合評価では、地元若手グループの9割強、若者Uターン者の8.5割、高校生の約7割がマイナス評価をつけている。特に、高校生では定住のための条件として、若者向けの遊ぶ機能の充実を重視(4割)する向きが強い。

○現時点では若者の溜まり場に乏しく、年長者からも若者が集まれる場が必要との指摘がされている。

 

〈買物利便の現状〉

○休暇での行動の筆頭に、社会人はショッピングをあげている。ただし、豊岡市や鳥取市まででかけるパターンが多く、購買力の町内依存度は低下傾向にある。

○香住駅前の商店街の活気はなく強力な商業核がみられない。駅前では沿道整備型区画整理事業が動いていたが、現在は休止中である。

○商店は店舗併用住宅が多く、後継者がいなくて廃業しても住居として利用するため、店舗や土地の売買・賃借は発生しにくい状況となっている。

○若者による本町の買物利便性評価では、地元若手グループと若者Uターン者の8割強、高校生の7割弱が不便と感じている。また、地元若手グループのうち9割強、若者Uターン者の8.5割、高校生の7割強が小売店や娯楽施設など商業施設へ不満を感じている。その不満点としては、高校生、社会人ともに、店の種類の少なさ、店の数の少なさ、品揃えの少なさ、営業時間の短さを指摘している。

○特に若者ニーズからは、24時間営業のコンビニエンスストアのような夜間営業店がないことに対する不満が高いが、今のところ大手チェーン店などの進出予定はないようである。また、高校生からは、おしゃれな洋服店など若者向けの店が少ないことに対する不満もあがっている。

○商店街の整備状況に対しては、若者Uターン者の9割弱、地元若手グループの8割強、高校生の5割強が不満を感じており、若者Uターン者は全員に近い回答であるなど、とりわけ厳しい評価となっている。不満点としては、地元若手グループと若者Uターン者の約割が駐車場の不足を指摘している。高校生はポケットパーク、景観形成、歩道、アーケードなどに不満を感じている。

○定住のための条件として買物利便性の向上をあげた高校生が全体の4分の3を占める。また、若者のUIターン促進に必要なこととして、買物利便性の向上をあげた人は地元若手グループ、若者Uターン者、帰省者のそれぞれ約半数にのぼる。さらに帰省した若者でUターンの意向を有しない人のうち2割が、その理由として交通や買物が不便であることをあげている。

○帰省者のうち15%が、以前に比べて買い物の便が低下したと感じている。

 

 

 

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