(2)情報の目的外利用について
GISで有効に活用することのできるデータであっても、法制上の理由により庁内での活用や庁外への情報提供に用いることができないものがある。ここでは、GISで活用可能な情報について閲覧に関する規定を示す。
ア 住民基本台帳法
住民基本台帳は何人(なんぴと)でも、市町村長に対し、住民基本台帳の閲覧を請求することができる(法第11条)が、閲覧の請求は請求事由その他自治省令で定める事項を明らかにしなければならない。ただし、自治省令で定める場合にはこの限りでない(法第11条第2項)。また、市町村長は、不当な目的に利用されるおそれがあることその他の当該請求を拒むに足りる相当な理由があると認められるときは、当該請求を拒むことができる(法第11条第4項)。
したがって、住民基本台帳は請求事由を明らかにしなければ閲覧することはできない。また、その請求事由が不当であるときなどは、閲覧することができない。
イ 不動産登記法
不動産登記法では登記簿などの公示については、何人といえども手数料を納付して登記簿の謄本もしくは抄本または地図もしくは建物所在図の全部もしくは一部の写しの交付を請求し、また利害関係のある部分に限り登記簿もしくはその附属書類または地図もしくは建物所在図の閲覧を請求することができる(法第21条)。
不動産登記法施行細則では、登記簿の謄本もしくは抄本の交付また登記簿もしくは附属書類の閲覧を請求するものは、申請書を提出することが義務つけられており(細則第29条)、その申請書には申請人の署名捺印と必要な記載事項があり、閲覧を請求する場合には利害関係のあることとその事由を記載した書面が別途必要である(細則第30条)。