H
大きな骨組みとしてコンセプトに始まり、活性化の方向、基本方針、施策へと進んでいくと思うが、榛名山麓の共有性、文化といったコンセプトのところをもう少し施策との関連で説明をいただきたい。ミュージアムのコアが何であるのか、サテライトへの流れ、回遊、人がどう動くのか。
C
榛名山に背を向けて暮らしていたのを、これから山に目を向けるあり方として、「榛名山の文化」「榛名語」が例として出されている。農業で暮らしていたときは榛名山の生態系の恩恵を受けて生活していた。今は山から離れてしまい、農地や林地が荒廃してきたが、これから山とのつきあいをどうしていくのか考えていくことがコンセプトにつながる。
X
基本コンセプトと活性化の方向との間に将来像といったものが必要かと思う。
C
これまでの50年に対し、これからの50年をどうするのかといった地域像が必要になる。地球規模で森林環境、CO2問題をどう解決していくか議論されているが、これの地域版として榛名山ではどうするのか考えなければいけない。
H
今までとこれからが全く違うというなら、コンセプトの部分をよりはっきり出さなければ。
C
やはりこれからの榛名山とのつき合い、地域文化をどうするのかということだと思う。「榛名講(好)」は外からみてどうなのか、「榛名山文化」は内からみてどうなのかという2つの側面がある。
観光だけでよくなるわけではない。山麓における宅地開発のあり方でも狭い敷地に建てるのではなく、100〜200坪規模の菜園付きの住宅にするとか榛名山における開発の特徴を十分に考えなければならない。また荒廃した山林、農地をどうするのか、県の指針はまだ明確になっていないようだが榛名山地域で独自に考えていけばよい。
L
正直言って榛名山文化といってもこれまで明確なものはなかった。だがボーッとしたものは存在している。これからビジュアル化をどうするかが課題。ゆかりのある人物像、夢二や土屋文明、真田氏、新田氏、徳冨蘆花などをはり付けるのも一つの手法だと思う。
コアの部分が大切、小さくはかないものだが、エコパークの原型=コアは「癒し」「心の健康」といったものだと思う。人物像も使いながら「癒し」といったものをコア=原型として考えていってはどうか。
I
全体として観光の比重が高いと思うが、「榛名山文化」、「榛名講(好)」だけで10市町村全ての理解が得られるのか。これから施策をすすめる上で大丈夫か。基本理念・方向に対し、これからも暮らしていきたい、そこへ行ってみたい、ふれてみたいといったものが必要。
リィーディングプロジェクトのなかで情報発信については、県全体の観光情報を集めて市町村、道の駅などへ発信できる。市町村が主体的に考えてくれれば県としてもそれなりの応援ができると思う。
V
弱いものは落ちるという危機感を持ってやらないといけない。松井田町では宅地開発を実施し半数は入居しているが主に高齢者が多く、生産人口は思うように増えていないようだ。
C
危機感を持つところが出発点。危機感を持っていないこと自体が危機だと言える。予算をとつたのはいいが使い道は決まっていないといった自治体の事例が少なくなく、国や県の税金を無駄遣いしている。今日、大銀行の倒産などが実際の話題になっているが、不良債権をかかえて破綻しているのは理念なき企業経営や地域開発であつたためだ。
S
倉渕村でもバブル時代にゴルフ場建設が相次いだが、現在は途中で工事中止になっているところがあり、批判の的となっており、村の責任も問われている。「榛名」「夢二」というのは隣町のイメージとして考えていた。西麓についてはまた強烈なイメージが必要ではないかと思う。村としてはダムの整備、有機栽培、都市との交流といったことを榛名山との関わりでどう考えるかが問題。
P
観光でも価格破壊が起こっている。高い利率の借金の返済に苦労している。伊香保は全国8位の入込であるが石段の整備など行政でやりすぎた面もある。これからは民が加わってやっていかなければ。
C
林業関係はいま大きく変わろうとしている。どう詰めるか考えているところ、来年には県から予算がでる。林業はあきらめていたことが多いがやればできることはある。行政と住民と企業がどうやってまとまって行動していけるかがでれば成功といえる。
L
現状認識で必要なのは、具体的プロジェクトではなく、理念、根っこをいかにつくるかだと思う。
C
つまり地域の基本コンセプト、理念をどうするか。理念なき開発は続かない。上野村ではその理念を貫いた。村内の集落に費用を出して地域の将来について考えてもらうといつたこともやっている。