・ 経済効果
現行測定方式により、直接的効果で計量可能なものを計数的に把握。
走行費節減効果 : 305,251千円
生産効果 : 102,437
維持管理費節減 : 1,460
効果額計 : 409,148
妥当投資額 : 5,376,465
事業費(含関連) : 5,008,696
投資効率 : 1.07
第2編 特殊調査
1 調査の目的
・ 広域農道整備事業が地域にもたらす影響について、具体的な事例分析を試みる。対象地区は広域農道整備事業が昭和45年に発足した時、最初に採択されたパイロットケースであり、群馬県内でも第1号の実施地区である。
2 地域特性と地域経済
・ 対象地域は山麓地帯で、浮石質火山灰性土壌のため、生産力が低く透水性も大きい。このため農業活動の前提として、水利を含めた生産力対策や土壌管理が欠かせない地域である。
・ 随所に深い浸食谷があり交通条件が極めて悪く、この谷の制約条件を排除することが、広域農道新設の最大の内因とも言える。
・ 昭和50年代に入って人口動態が増加に転じ、地域経済は急速に活性化する動きを見せている。
・ 所得増加の伸びが近年極めて著しく、その理由として農業以外の産業への就業が強まっていることがある。これは前橋市及びその周辺の労働市場に近接する赤城村で、顕著に認められる。
・ 昭和村の変化は農業活動が活発に展開し、地域経済の大きな推進力になっている点で特筆される。
・ 農産物販売収入第1位部門の作目を見ると(S45年と55年)、野菜は開拓地から既存集落へ急速に普及し、S55年には昭和村から利根村にかけた集落で、野菜が第1位となっている。赤城村ではこの10年間殆どの集落で変化がなく、養蚕が第1位を占めているが、その農家数は減少傾向にある。これは養蚕が特定の農家へ階層分化しつつあることを示しており、その中の2集落では第1位が養蚕からコンニャクへ移行している。これは赤城村の農業が可変的であるといえる。
3 広域農道の利用状況
1) 交通量調査
・ 交通量調査はS57年と58年に、群馬県土地改良調査事務所が二本松(利根村)、中野(昭和村)、深山(赤城村)の3地点で行われた。
・ 全体的として、交通量は深山で群を抜いて多く、付近に関越自動車道の工事現場やゴルフ場を控え前橋や渋川にも近いため、農業外の交通の影響が大きい。
・ 時間帯別交通量変化では、深山では16時以降に交通量が急増し、二本松、中野は8〜9時、11〜12時、14〜15時の3回のピークがある。これは広域農道の交通は農外車両の利用が多い反面、農業交通の性格も色濃く反映していると考えられ、二本松、中野の3回のビークは農家が行動を開始、あるいは休息、する時間帯と一致している。