3 大学を核にした地域づくりの実現シナリオ
第3章に示した方策は、各方面に亘る総合的なメニューである。方策メニューは、短期的に全て実施するものではなく、優先して実施すべきもの、実現可能なものを絞り込み、段階的に実施していくものだと考えられる。
短期及び中・長期におけるアクションの方針を以下に整理し、方策メニューを段階的に実現する具体的イメージを図表4-4に示す。
(1) 短期的アクションの考え方
短期的アクションは、平成11年4月の開学に向けて準備、実施すべきものである。短期的アクションには、次の2つの側面がある。
ア 開学時の流入人口への対応
開学時には、学生や教職員等の流入に対応する民間施設の立地が進み、乱開発や郊外集積に伴う中心市街地の低迷の加速等が危惧される。このため、学生居住ゾーンの誘導・規制や中心商店街の活性化戦略を積極的に実施し、新旧住民ともに快適な居住環境と学生によって賑わう中心市街地の形成を図る。
イ 開学効果を最大限に生かした展開
開学時には、オープニング効果が働き、多くの注目を集めることから、それを最大限に活かし、開学を契機にまちづくりを進めることが考えられる。開学記念イベントの開催、学生募集と合せた本荘由利地域のアピール等が代表的な取組みとなる。
(2) 中期的アクションの考え方
中期的アクションは、第1期生の卒業時、平成15年3月に向けて準備、実施すべきものである。中期的アクションは、次の2つの側面で実施する。
ア 大学卒業生の地元就職・定着のための取組み
大学卒業生の地元就職、定着を図るための取組みを、優先的に実施する。特に、大学生の就労の場となる企業集積が不十分なこともあり、第1期生の卒業時を目安に、研究・開発型企業の誘致や産学共同研究センターを活かした地場産業の高度化、新産業の創出を積極的に推進するものとする。