そのためには、企業、行政などが一体となった取組が必要であるが、中でも産学共同研究センターが「産・学・官・民」の交流拠点として、大学と地元の媒体としてその機能を発揮することが必要である。
すなわち、大学生の就職の場となる研究・開発型企業の誘致と並行して、地元企業の育成を図る必要があり、産学共同研究センターが大学と企業が協力して研究・開発を行う場であることを活かし、大学の先端的研究を地元企業のニーズに合致させ産業化させるための活動を行い、産学官民の強い協力体制を築いていく。
【具体的取組み例】
・大学生が地元企業で実践体験を行うインターンシップへの協力
・地域内への研究・開発型企業の誘致
・学生ベンチャー企業の支援 など
イ 学生による有償ボランティアの活用
大学生活がより充実したものとなるよう、大学生の地域内での活躍の場をできるだけ創出する。具体的には、在学中のアルバイト機会ともなるよう、公共施設等で学生の有償ボランティア活動の場を創出する。
こうした大学生の有償ボランティアは、地域づくりの推進力としても期待できる。大学のチュートリアム制度(注)として、有償ボランティアを位置づけてもらうことができる。また、奨学金の交付に、ボランティア活動を行うという条件をつけることが考えられる。
【具体的取組み例】
・学生による行政内情報システムの開発
・学生による地域紹介ホームページ(インターネット)の制作
・休学期間中での地域内スポーツ施設のインストラクター採用 など
(注)チュートリアム制度とは、地域の中で行う学生のサークル活動である。東北芸術工科大学でこの制度が採用され、成果をあげている。
ウ 本のまちとしての充実
大学の教職員の研究活動や学生のキャンパスライフにとって、図書の入手は不可欠であり、大学内の図書館のみならず、地域内の図書館や書店の充実が求められる。