海岸に打ち上げられた″鳥の調査(佐藤美穂子) 4 ☆☆☆☆
繁殖現状調査(小野宏治) 8 ☆☆☆
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長谷川さんが受賞
アホウドリ研究者で、東邦大学助教授の長谷川博さんが、(財)国立公園協会の第18回田村賞を受賞されました。長年にわたるアホウドリの保護研究活動が受賞の理由です。おめでとうございます。
財団法人 国立公園協会 第18回田村賞 受賞の挨拶
1997年6月19日
長谷川 博
みなさま、こんにちは。東邦大学理学部の長谷川博です。
かなり日焼けした顔だとお気づきでしょう。つい2日前に、伊豆諸島の鳥島から帰ってきたばかりなのです。私は、八丈島の人たちといっしょに,鳥島に行き、世界的に希少な海島・アホウドリの繁殖地を保全する工事を行なってきました。スコップで上を掘って投げ、排水路を整備し、土嚢を積んで、営巣地に水が流れ込まないようにしました。また、蛇篭(じゃかご)を設置して、土砂の流れを止めました。さらに、営巣地にシバを移植して、アホウドリの繁殖に適した環境を造りあげました。
昨シーズン、鳥鳥では、176組のつがいが90羽のひなを育てました。成鳥の観察数は349羽でした。これら3つとも、アホウドリの再発見以来、最高の数です。現在、鳥島集団の総数は推定で800羽から850羽です。
今回の繁殖地保全工事がよい結果をもたらせば、これから2、3年で毎年100羽以上のひなが巣立つようになり、総数は1000羽をこえるでしょう。うれしいことに、アホウドリは今、確実に再生への道を歩んでいます。
21年前、私がアホウドリの保護研究を始めた時、ひなはわずか15羽で、成鳥の観察数は約70羽でした。それを思うと、現在はまるで夢のようです。ここに至ることができたのは、私だけの力ではありません。アホウドリを絶減の危機から救おうと、たくさんの方がたからのさまざまな方法での協力や支援があったからです。もちろん、生きのびるためにいちばん頑張ったのはアホウドリたち自身ですが。
ですから、私は、アホウドリたちやその保護にかかわつたすべての方を代表して、第18回田村賞を受賞したいと思います。そして、私は覚悟を決めています。アホウドリの復活まで、これからも努力をおしまないと。
どうもありがとうございました。