海岸を歩こう(自然を漂着する海鳥の調査法)
佐藤美穂子
〒078-41 北海道苫前郡羽幌町北6条1丁目
北海道海鳥センター友の会
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ナホトカ号の事故後、(財)日本野鳥の会会員を中心としたボランティアによる海岸センサスが行われ、たくさんの油にまみれた鳥が回収されました。しかし、海岸に漂着する以前に沈むなどして失われる個体も多く、実際の被害規模は回収数の十数倍にのぼることもあります。このため実際の事故の被害規模を推定するために、正確な漂着鳥のデータは欠かせません。
ところで、このような海洋汚染とは関係なく、海鳥はさまざまな理由で死亡し、その死体は海に沈んだり、海岸に打ち寄せられたりします。事故の被害推定を行うときには、この自然状態での漂着頻度も考慮に入れることが望ましく、国外の例では、自然状態でのビーチカウント(Beached Bird Survey)調査結果が被害推定にも反映されています。しかし、日本では既存の調査例がありません。そのため、日本ウミスズメ類研究会では、会員や石川県片野鴨池観察館((財)日本野鳥の会)の協力を得て以下のように、ビーチカウント調査を行うこととなりました。調査地と調査方法について紹介いたします。
・実施中の調査地
調査期間 1997年4月〜1998年3月

※このほか、兵庫県と京都府で(財)日本野鳥の会によるビーチカウントが行われています。
ビーチカウント調査法
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通年通うことが可能な範囲で、漂着物が多くて幅の広い砂浜を選びます。砂浜を選ぶのは、岩場では調査範囲を網羅することが難しく、岩に扶まった漂着鳥を見落とすこともありうるためです。また、せっかく漂着した鳥がふたたび波にさらわれて失われることないように、幅