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は繊維工場の従業員を多数供給していたことが分かる。

 

図表2-2-2 繊維業界における斡旋数及び県外斡旋数 (件)


 

斡 旋 数

左中他都府県への斡旋する数

合 計

合 計

愛 知
新 潟
長 野
岐 阜
鹿児島
兵 庫
福 井
富 山

253
155
111
317
190
475
35
83

4,382
4,051
3,194
2,412
2,167
1,628
1,838
1,542

4,635
4,206
3,305
3,729
2,357
2,103
1,873
1,625

0
155
105
57
190
135
15
83

50
3,411
2,841
1,171
2,167
241
64
413

0
3,566
2,946
1,228
2,357
378
79
496



(出所)前掲 図表2-2-1と同じ

 

(3) 政策的対応

戦前まで世界第3位の生産を上げていた繊維産業は戦後順調に復活し雇用量も増加してきた。しかし、労働者の主体を年少の女子に依存してきたことから他産業と違って労働者の確保は容易ではなかった。そのため、労働省は昭和25年9月に職業安定局長名をもって各都道府県知事に対し「繊維産業労働者の緊急充足について」の通達を発した。ところが、過剰設備投資の是正を目的として昭和27年2月には通産省繊維局長から各紡績会社あてに「綿紡績設備の適正稼働について」の勧告が出された。これにより、紡績会社は操業短縮を行うとともに?@新規採用者の中止?A過剰人員の整理を行った。日本紡績協会は労働省職業安定局に対し、昭和26年度新制中学卒業者に対する約2万人の求人取消の申請を行った。

 

2. 昭和30年代 高度経済成長期

 

(1) 時代背景

昭和30年に石炭合理化計画が策定される。昭和35年には福岡県大牟田市の三井鉱山三池炭鉱で三池争議が起きる。同年、経済の高度成長、国民所得倍増の政策を掲げて池田内閣が発足する。

昭和39年には東京でオリンピックが開催される。そして、東京オリンピックの開催に向けて首都高速道路や東名高速道路が整備され、東海道新幹線が開通する。また、経済成長による建設労務の需要の増加に伴い、季節的労務者による出稼ぎも増加することになる。

他方、大工業地帯では工業が過度に集中し、用地不足、用水の汲みすぎによる地盤沈下が起こり、交通の面では道路の渋滞や港湾の混雑が問題となり、労働力の過度の集中による求

 

 

 

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