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続いてイコライジングについて話をします。
ここでは、ナレーションを小さいスピーカーから出し、それをマイクで拾い、その音がステージの両サイドにある仮設のスピーカーから出るようにセッティングしています。この音は、ミキシングコンソールについているイコライザー(トーンコントロール)のみを使い、ハウリングしないように最小限調整してあります。
(CD ナレーション)
今回使用している機器はバスとトレブル、ローミッド、ハイミッドの4点のイコライザーをもち、すべて周波数のポイントが可変になっています。さらに、中のローミッドとハイミッドについては、Q(資料P12の図5参照)が連続で可変できるようになっています。これをパラメトリックイコライザーといいます。この4ポイントを使用し補正しています。
次に聞いていただくのは、このイコライザーをパスして、グラフィックイコライザーで31ポイントのもの(3分の1オクターブ、およそ20Hz〜20kHzぐらいまでを31区切りにしている)を挿入して少し過剰に補正をかけたものです。
(CD ナレーション)
音量は揃えてありますが、2回目の方はグラフィックイコライザーを通し、過剰に補正をかけたため、インプットのレベルを上げてあります。それは、周波数のある部分の音をカットし補正したため、音量がずいぶん下がってしまったためです。これを比較するため、ONとOFFを繰り返しながらのナレーションを聞いてみて下さい。
(CD ナレーション)
大きい音がした部分が、グラフィックイコライザーで補正をかける前の音量です。補正をかけると、どうしても音が小さくなりますので、元の音量に戻すにはゲインを上げなければなりません。あとで、聞き比べてみることにします。
次にカラオケを流してみます。中央のスピーカーからボーカルの音のみを出します。
(CD 音楽)
バンドの音も入れて流してみます。
(CD 音楽)
実際にバンドの方が舞台上にいますと、もっとモニタースピーカーの音量を要求すると思いますし、物量の豊富になった近年では、例えばボーカルに2つ、ドラムセットに2つ、ギターに2つのようにモニターの数も多くなってきています。そのような要求に応えるため、モニターの音量を大きくせざるをえない状況になります。それでは、バンドのモニターの音量だけが大きくなったときには、それによってはね返った音がマイクに拾われ、どのように影響を及ぼすかを聞いてみましょう。
(CD 音楽)

 

 

 

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