
○斉田 あまり個人的になってもいけないと思うが、電動化が進んでいて、オール電動の建物というのは新しい所に随分入っているが、直接そういう所に勤めたことはないが、本当はオール手動の方がいいと思っている。重い物は今まても多少電動化されていたと思う。この間事故があった。電動パイプが下に寝ていて、その上をまたいで作業をしている人がいたが、そのまま上げてしまって途中から落ちて亡くなった方がいた。500kgから1t近くまで押せばどんどん上がってしまう。鎮の積み込みもいらない。だからこわい。手動だったら引っ掛かっているのもわかるので、安全管理の点から言っても電動化はどうかなと思う。まして芝居では電動となじまない気がする。
○坂本 最初の間瀬さんの話の中にあったが、アートマネージメント研修の資料の中で、コンピュータ制御の電動のバトンぐらい始末におえないものはないとのことだった。つまり業書が言うには、下りてきたらきっかけによってすぐ上げることもできると言うのだが、コンピュータは下りてきてもその後どうしたらいいか指令を待つのだそうだ。それがほんの何秒かであっても、人間の動きとなじむところがない。人間の手であればその日の役者の動きに合わせて、すぐ飛ばしたり下ろしたりが可能だしスピード加減もできる。ただ電動なりコンピュータ制御になると、どうしても機械の動きに人間が逆に合わせなければいけないことになってしまって、どうしても使いにくいということだった。電動は楽でいいが、手動には手動のよさもある。だから電動になったら手動に切り換えられるような装置を付けるようにお勧めしたい。昔の横手市民会館は全部手動だった。反響板も天板も手動だった。今やっと電動になった。「降ろす」というボタンを押すとどこまでも下りてきてしまう。たまには状況を判断して上げてくれてもいいのにな、と思う。電動には電動の良さがあるが、決して良さばかりではない。
○間瀬 よく電動にしたから人はいらないだろうと言われるが、人員削減のために電動化するというのは間違いで、増員して危険を回避するべきだ。電動化した方がいいのか悪いのかの議論は、芝居というならば、手引きにしておいた方がいいと思う。
○仙台市若林区文化センター これを参考に設計事務所に話して手動にしたいと思う。
○坂本 設計事務所は自分のことしか言わないので、現場のことはできあがってから「そうでしたね。」くらいの話で逃げてしまうから、ひどいのになるとデザイナーじゃないかと思うような設計者もいるから、現場からの声をどんどん出した方がいいと思う。
○宮古市民文化会館 坂本さんにお伺いしたい。横手で市民ミュージカルをやられたみたいだが、プロの演出家と俳優が一緒に加わって創作劇をやったみたいだが、どのような意図でそうしたのか。
○坂本 市民会館のリニューアルオープンを記念したということもあるが、改修には12億円をかけて、昔の横手市民会館を御存じの方はあの会館どこに行ったの、と言われるくらいイメージが変わった。この会館をリニューアルするにあたって、館をハコとして造るだけではなくて、劇場として生かしていこうということを上の方からも言われた。つまり、自主事業をどんどんやりなさいと。今はもうお金を出せばいろんなものが来る時代だ。いろんなものがてきるように中の設備が変わってきたのも事実だ。ところが、横手でなければ見られないものは何なのか。作るしかないのではないかということで、横手を含めた近県を舞台にした。台本を地元の人間が書いて、これを単なるお祭り的にやるのではなくて、きちんとした舞台芸術というか、完成度の高いものにしたいということを含めなから検討した結果、演出家はピーターパンの演出をやってい
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