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とか、そこの小屋の舞台スタッフと次のイベントの基本を作っていこうとか。先日横浜で「区民文化センターの使い方ワークショップ」というのがあった。利用されるお客様、関係のありそうな方達に集まって頂いて、小屋のありようとか、使い勝手とか、館長の一言というのもあるが、そういうことを20人位でお話するのだ。地域のいろんな方がお見えになる。横浜でも、私共のような小さい所だと、住所が会館から半径何キロの中でお使いになる方が多い。やはり地域の施設というのはそれが大事だと思う。次のイベントを考える時に、気楽に相談のできるような関係というのがすごく大切なことだと思う。ちなみに弁当はスタッフの所には来るが、私の所にはこの頃来なくなった。
○斉田 今間瀬さんが言われてた、飲み屋でもどこでも打ち合わせがてきるというのは、話の中で、それはそうしましょう、というふうに係として言えるか言えないか、そこまでの権限があるかどうかというのが大きいと思う。従事者が責任を持ってやっていく。権限はそこにある。舞台関係は全部そこで判断する。いちいち上の方に聞いて御返事しましょうでは、話がわからなくなってしまう。いい話であれば即座に、あしたからやりましょうとはいかないけれども、第1段階を踏み出しましょう、という所まで言い切れるだけの権限を現場に与えてくれ、というのが基本的なことだ。
○坂本 1つだけ昔を思い出しながら御紹介したい。かなり昔なのでもう時効の話だ。どこの会館でも利用時間というのは決まっている。後片付けをしてお帰りになる1時間が10時です、あるいは9時です、と打ち合わせの段階でされていると思う。ある時に延びてしまった。踊りの会だった。そしたら課長が来て「緞張を下ろせ。」と言った。今最後の踊りで、大概最後はお師匠さんが踊っている。課長に説明したのは「降のボタンを押すと緞帳が下りますから。私は押せませんけれども課長さんだったら押せるでしょうからどうぞ。」と。とうとう課長も押せなかった。その辺が公立文化施設の一番弱い所じゃないかなという気がする。
私は打ち合わせをした段階で、これは時間内に収まると判断した訳だが、結果的に延びたというのが再三ある。その時に、簡単にあのボタンは押せない。あるいは照明の方に連絡して、フェイドアウトしてと言う訳にもいかない。やっぱり最後までやらざるを得ない。当然10時は過ぎる。さっき横手市民会館の昔の恥をさらしたが、その当時は照明の仕込みも電源を取るところから始めなければいけないものだから、ある時ひどい話があって、「徹夜で照明の仕込みをやらしてくれ。」というのがあった。「そればっかりは御勘弁頂きたい。と言うのは、夜の管理体制は私一人だし、本番の時に寝てしまう可能性があるから、安全管理を考えると無理だ。」と言った。そしたら「じゃあ朝早くからやらしてください。」ということで、朝5時から仕込みをやらせたことがある。これは完全に貸館だったが。それを許可せざるを得なかったのは、設備内容がそうだということを含めて、仕込図を見るととてもじゃないが間に合わないということがわかったので、朝5時から会館に詰めて搬入をして仕込みをした時もあった。長い現場の中ではそういうこともあった。
○斎田 今時間のことが出たが、つい最近の話で、この近くに、ある劇団が5時から搬入したいということだったが待てど暮らせど来ない。10時になって「みんな帰っていいよ。何かの間違いかもしれない。」と言ってたら、10時過ぎに「八王子で車がエンコしちゃった。」ということで、着いたのが12時頃だった。僕むよく待っていたと思うが、とりあえず翌日の11時頃が最初の開演だというもので、荷下ろしだけじゃしょうがないということで「もう仕込んじゃえ。」ということになって、朝までかかって仕込みをやっ

 

 

 

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