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なるべくこっちのやりたいように押し付けて30年間やってきたが、これからは少し気持ちを入れ替えていこうかと思っている。背景を探る打ち合わせというか、調べるということではないが、その辺がわからないと、何を目的に来たのか、外でやった方がいいんじゃないか、と言いたいようなのが来る時もある。
○間瀬 今のはすごくわかる。同感と言ってる方が随分いらっしゃった、それでは坂本さん。
○坂本 利用者との打ち合わせを含めて、関係ということだが、さっきお話したとおり横浜青少年センターにいた時は舞台の職員が3人、現在も3人いる。照明は当時3人で現在2人。いずれ、備品・設備を含めて当時としては大変すばらしい会館だった。横手に帰ったが、プロの方に「あした横手に移動だよ。」と言うと大慨「ウワーッ」と言う位ひどい小屋だった。オートトランス方式の調光器が4本。1回路7kWが4本しかなかった。音は真空管式で8回路しかなかった。だから打ち合わせは非常に簡単で、おいでになった時に「ありません。」でよかった。ただ、「ありません。」という言葉は言えなかった。「それはちょっと。」までは何とか言えたが、「ありません。」とはなかなか言えなかった。
やがて言えるようになった時には皆さんよく知っていて「あそこは体育館飾りだ。」と言われた。客席の椅子はボロボロで、「横手か。できれば湯沢にしてもらえませんか。」という会場になりつつあった。それから「ふれあいセンターかまくら館」という346席の小さなホールができたのでそちらに異動しろ、と言うので、長年勤めた市民会館を追われた。腹の中では「事故がなくてよかったなあ。新しい小屋に行くんだからいくらかこれで楽になるな。」と思って約2年いたら、私がいない間に市民会館を改修するというとんでもない話になっていた。どんななふうに直すかということでリニューアルの会議に出て行ったが、そのうち私の都合で会議の日程を決めるようになった。
それで現在は新しい横手市民会館にいる。長い間いるものだから、斉田さんがお話になったように、打ち合わせにおいでになる人の顔を見ると、横手はせいぜい4万そこそこの人口だから、文化団体あるいは踊りのお師匠さんとか顔を見れば大体わかるし、興業者関係も大体わかるようになってきた。この頃寂しいなと思ってるのは、弁当を頂けなくなってきたことだ。現場の人には弁当は来るが事務所には来ない。今は事務所にいるので打ち合わせだけはさせられるが、できるだけ現場の人間に打ち合わせをしてもらった方がいいと思っている。調光器は64回路もある。PAの回路は24もある。いずれ利用者との打ち合わせも含めて苦しいこともあったが、街で飲んでいると声をかけて頂けるような身近な関係になっていったことが現在につながっているのかな、と思っている。
○斉田 具体的な打ち合わせというのは舞台・照明・音響がやるが、センターの場合は開館して10年位打ち合わせは企画課というところでやっていた。いわゆる事務所の人達がやっていた。その人達が3年毎のローテーションで替わってしまってよくわからないので、徐々に事協所の人達が手を引いていって、じかに技術課の方でやってくれ、というふうになった経緯がある。これはかなり自然な形で、今坂本さんが言われたように、現場の人間がどんどん打ち合わせをしていかなければいけない、というのは1つの流れじゃないかと、思っている。そこでのつながりがまた次の時に、親切にされていい思いでを持って帰られる方ばかりではないと思うが、つながっていけるんじゃないかと思う。
○間瀬 今のお話の中で、地域の方の顔というか、坂本さんの話にあったように、飲み屋で打ち合わせがてきてしまうということもあるのかもしれない。やはりそういう関係というのが大切なんじゃないのかなと思う。例えば、こういうことをやりたいんだけれども、という催し物をつくり上げる段階で、坂本さんと相談しよう

 

 

 

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