
団体またはプロのスタッフが来た時でも、それを見に来られるのは地域のお客様だから、そういう発想をいつも持って頂かないといけないのではないか。よくマインドという言い方をするが、サービスマインドをいつもお客様に向けて行くということが大変重要なことだと思う。舞台の安全管理の問題と地域の方の創造との係わりでは、1に安全、2に管理、3・4がなくて5に利用者サービスというのがあるのではないかという気がする。
貸館というのは創造して行動するカルチャーだから、創造の場と安全管理とのバランスの重要性というものを考えて頂きたい。バランスか板挟みか。舞台を長くやっていると、恐らく板挟みだと思うかもしれない。私は、安全のためにその施設を造ったのかと元に戻って考えてみたらいいのではないか。施設というのがまずあっていろいろ運用してて、けがが起きないように注意する。施設があってそれを安全に管理することだけが第1目的になっているような施設管理が行われて、市民文化の担い手になるべき人達、文化を親しもうとしている人達の足を引っ張っているという施設があるのではないか。 それは管理する側の人の意識の問題であろう。条例・規則の解釈の問題、運用の問題であろう。条例・規則の解釈では難しい部分があるのは確かだが、ルールだからそれを変えさせるという努力を舞台スタッフから立ち上げていくべきではないだろうかと思う。これからの市民文化に対する行政の役割は、3つのS、すなわちスペース(場所)、サポート(支暖)、サービスではないか。この分類の仕方は大変面白い。スペース、サポート、サービスの3つがうまくかみ合うと、利用者にとっていい劇場になっていくのではないか。その中で舞台のスタッフのやるべき仕事、またはあるべき姿が見えてくるのではないか。それを後半のシンポジウムで皆様方からいろんな意見を頂き、いろんな話に展開してみたいと思う。
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