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病院だより

呼吸リハビリ教室への招待

病気の治療には、きちんと薬を服用することのほかに、自らが病気について理解を深め、病気が進行しないように注意しながら生活することが大切です。
病院と役場保健婦は、呼吸器の慢性的な病気である肺気腫、慢性気管支炎、喘一言、などをもっている患者さんと家族を対象に、呼吸リハビリ教室を開くことを計画しています。この教室では、?@病気の悪化を予防する、?A不快な症状を軽くする、?B日常生活をより快適に過ごすなどができるように知識や具体的な方法を学びます。
例えば、?@あなたの体と病気についての話、?A効果的な呼吸方法、?B吸入方法、?Cピークフローメーターについて、?D体づくりのための体操、?E薬の話、?F食事の話、?G日常生活の注意点、?H効果的な庚の出し方、?Iタバコの話などを学ぶわけです。
呼吸リハビリ教室は、欧米ではすでに広く行われているのですが、日本ではほとんど行われていません。今回は、日本で最先端の呼吸リハビリにとりくんでいる東京都老人医療センター呼吸器科の協力を得て、開くことになりました。
去年の秋、老人医療センターのスタッフが大樹にきて、看護婦と保健婦を中心とするチームに、一日かけて呼吸リハビリの実際を教えてくれました。その後準備を重ね、いよいよ大樹でも実施することになったのです。慢性の呼吸器の病気をもっている患者さんや家族の方で興味のある方は、病院までご連絡ください。
(病院だより:1996.3No.19)

『呼吸リハビリ教室への招待』その後

今年2月のこの欄で「呼吸リハビリ教室への招待」という標題の文章をのせました。今回はその後の経過について報告します。
3月から4月にかけて毎週土曜日の午前中に6団連続で呼吸リハビリ教室を老人福祉センターでひらきました。私をはじめ婦長、看護婦、病院保健婦、役場保健婦、理学療法士などが講師になって、呼吸リハビリについて指導をいたしました。季節外れのドカ雪の日もありましたが、肺の病気をもっている15名の方が参加し熱心に話を聞いてくれました。
最終日に講習について皆さんの意見や感想を聞いてみました。
「病気は医者が治してくれるものと思っていたが、自分でも関心をもって勉強し、自己管理をしなければならないことがわかった」
「呼吸法が勉強になった。実行して効果があったと感じている」
「肺の病気で栄養管理が大切であるとはじめて知った」
「家族が1緒に聞いてくれたら、もっと自分の病気を理解してくれただろう」
このように病気についての知識をもってもらう、療養士何が大切かを知ってもらう、などの点で役立っていると感じました。また、平均年齢が75歳とお年寄りが多かったことからどの程度理解してもらえるのか心配したのですが、これは気苦労でした。
スタッフにとってもいい勉強になりました。私たちが思っている以上に患者さんは自分の病気に関心をもち、学習意欲もあることがわかりました。日々の療養生活の中で実行してもらえるように講習内容や方法を今後も検討し、続けていきたいと考えています。
(病院だより:1996.8No.24)

 

 

 

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