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る方でたまにしゃべりたい方が実はたくさんおられるのです。こういう方が観光ボランティアとして登録をしてやっていくようなシステムがまだそれほど十分ないものですから、もっと気軽にそういうボランティアに参加していただけるような仕組みを、今つくっておりますiセンターなどをぺースにしてやっていきたいというふうに思っております。
それから要望とか提案でございますが、やはり現地できちんと外国人の方を受け入れることができるような窓口になる組織が一ついるという感じはしておりまして、そういうものが各地方で、九州なら九州に一つ、関西なら関西に一つ、できればいいなと思っております。これは、旅行会社のOBの方などが3〜4人でやってくださればいいので、ぜひ運輸省さんなリAPTECさんなりに音頭取りをしていただいて、3〜4人でいいからそこにとにかく連絡すればあとは何とかしてくれるという会社、エージェントをつくっていただきたいということでございます。
●阿部 ありがとうございました。高齢化社会のシルバー活用策も含めたご提案だったかと思います。続きまして、上原さんお願いします。
●上原 私は、まちづくりという視点からお話ししたいと思います。まちづくり、あるいは地方の拠点施設づくり(私は今びわ湖ホールという文化施設をつくっているのですが)に際して、常に視点を外におくということが大切だなと思いながらお話を承っておりました。
井戸さんのお話もそうなのですが、中で競争するというのもとても大切なことですが、もっと大切なことは外に向かって連帯して、アピールすべきことはアピールすべきだということです。そのためには、常に「外」を意識するということです。今日、清水さんからお話しいただいたように、日本の海外旅行者の比率は多いと思っていたけれども外の国と比べると決して多くないということとか、あるいはアジアの国の中で日本はずいぶん海外からのお客様を受け入れている数が少ないのだということは事実ですから、そこは、共に手を取り合ってやるべき対象は外にあるともいえるでしょう。そこは、みなが手を取り合えるはずだと思います。少ないパイを取り合うよりも、まずはパイを多くするために手を取り合うということが必要だと感じました。
それからもう一つ、オーストラリアの観光局がつくられたコマーシャルビデオを見ておりまして、ちょっと日本人としてはゾッとした点もございましたが、とてもすばらしいマーケティング手法をとられていると思いました。こういう手法は大切ですね。
●阿部 ありがとうございました。続きまして、清水さんお願いします。
●清水 三つの要素があると思います。一つは、先ほどいいました鋭いマーケティングということ、これは民間がいちばん進んでいるかもしれませんが、マーケティングをきちんとやるということです。二つ目は、モチベーションです。本日もいろいろな業界の方がいらっしゃると思いますが、そこに従事する人たちのモチベーションをどう上げるのか。もっとほめて、讃えて、やはり広げていくというモチベーションを高めることが重要です。三つ目はネットワークです。例えばレストラン事業だとか、宿泊、旅行業とみんなばらばらになっているわけですが、それをやはりネットワークしていくことが絶対に必要です。これを徹底的にやっていく必要があると思います。
●阿部 ありがとうございました。限られた時間でかなり濃密な議論を進めさせていただきました。関西における国際観光を進めていくための基盤整備の課題を整理する端緒に、この場が相当しているにすぎないように思えます。私のほうからは、今までの3人の方のご議論をまとめるというような僭越なことはとてもできませんが、少しだけ時間をお借りしまして、今までのお話と重なることがあるかと思いますが、論点を整理してみたいと思います。
第1番目には、先ほど会場からご意見もありましたし、清水さんもおっしゃっていましたけれども、インバウンド、アウトバウンドと区別して、アウトバウンドはここまでいったのだからインバウンドヘということではないだろうということです。世界的な大交流時代、大観光時代ということをふまえれば、もっと交流が高まることによってお互いに、日本の方が海外に出て海外の方と知り合いになって、またその方が日本に来るという機会も増えていくわけです。実際に、5億数千万という世

 

 

 

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