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のほうからご質問なりご意見、あるいは異論などがこざいましたら、お願いしたいと思います。いかがでございましょうか。所属とお名前をお願いいたします。
●アジアのある国の大阪観光事務所の代表です。まず、こちらにご招待いただきましてありがとうございました。
少しコメントですけれども、まずいいたいことは、井戸さんがおっしゃったことについてです。私の国でも同じことがいえまして、ビザの問題があって日本に来にくいということです。ビザは15日かかりますが、15日もいらないということです。例えば、あるスピーカーがベトナムから来られていたのですが、その方は大学教授で、彼は日本に来るのに、シンポジウムのスピーカーであるにもかかわらずビザを取るのが非常に難しかったということで、これは日本に来たいアジア人にとっては非常に大きな問題です。
もう一つは、井戸さんがJNTOについておっしゃったことは正しいわけです。予算がもっとあれば、アジアにおいてもっと人を呼び込めるのではないか。日本、とくに大阪は、われわれの国から観光客を誘致しようとしているわけで、こちらの旅行代理店のほうはそうしていますけれども、もっと国として大きな予算があればそういう活動がもっと活発にできるのではないでしょうか。観光というのは、日本ではマイナス要因がない産業だと思うのです。もし、貿易収支でまだ日本にインバランスがある、日本との摩擦があるとすれば、それは貿易の面で出てくるのではないかと思います。
3番目のスピーカーの上原さんですけれども、ワンマンショーのようでしたが、一人の人でどれだけのことができるかということがよくわかりました。観光地としてどういうものを発しなければならないのかということを非常に明確にされましたし、琵琶湖地域において、外国人が琵琶湖を訪れたいなという気にさせるようなすばらしいお仕事だったと思います。
●阿部 パネラー3名の方のご意見、ご発言に対しての評価をいただいたようなことでございました。パネラーの方から何かご意見はございますか。
●清水 そのとおりだと思っております。
●阿部 まったくおっしゃるとおりで、まだまだ日本は努力が足りないと。とりわけいまだに、このようなことをいうと差しさわりがありますけれども閉じられた鎖国的な体質と申しましょうか、観光流動に対する閉じられた意識、あるいはさまざまな規制、そういうものが重要な交流を妨げている面があるということは否定できないかと思います。ありがとうございました。ほかに、ございませんか。
●田中 JTBの田中です。先ほどの上原さんのお話に、民際外交、雨森のまちづくりについてのお話がありました。私も今まで国際交流というのはどちらかというと行政、あるいはせいぜい海外旅行ということで、自分たちのまちづくりを通して国際交流をということの視点はあまりなかったのですが、そのあとのお話で、長浜の黒壁ツアーということを言葉だけ紹介いただきましたが、ちょっと勉強不足なのでそのあたりも詳しくお話しいただけないでしょうか。
●阿部 詳しくとおっしゃられましたが、時間に制約がございますので、簡単にご紹介いただけますでしょうか。
●上原 黒壁のことは、今日の京都新聞の滋賀県版だと思うのですが、紹介された記事がありますので、あとでそれを差し上げたいと思います。ただ、PRをさせていただくことを少しだけお許しいただきたいと存じます。
黒壁は、平成元年にスタートしたのですが、黒い壁の銀行が壊されるということになったときに、市民の手でみんなでそれを買いまして、市役所からもお金が出て、それを中心にまちづくりをやり始めたのです。既存の古い建物を壊すのではなく、修復して、それを店舗にしていって、今は全部で21号館までできているのですが、ガラスという今までになかったものを取り入れて、まちづくりの核にしてきました。とにかく平成元年には、日曜日の1時から2時までの1時間のあいだに、その町筋に1人として人影がなかった商店街に、今や100万人ぐらいの人が来るというような成功をおさめております。これを私がすばらしいと思うのは、市民の手によるまちづくりであるということです。今は「秀吉博」という博覧会をしているのですが、

 

 

 

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