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万4,000人の方がタイ国へお見えいただいております。国別ではマレーシアがいちばん多く、国境伝いで車で行き来できるということもありまして、陸路では81万人がタイに来ております。実質的には日本が第1位です。昨年の観光収入ですが1,688億バーツで、USドルに直しますと67億5,200万ドルです。タイではどのように観光のプロモーションをしているかということですが、ガヴァメンツセクターのほうから申しあげますと、私どもがいちばん頼りにしておりますのはTAT(ツーリズムオーソリティ・オブ・タイランド)です。
バンコクにヘッドオフィスを置いて国内に22の事務所をもち、各事務所ごとに地域の観光プロモーションをしております。例えば、私は昨年までバンコクから車で約2時間の地方にいたのですが、この事務所では毎年5月にTATと観光業が一体となってアジアの5カ国から業界関係者の方を100人ほどお招きしてゴルフコンペをしたり、観光していただいたり、そのパーティでは地域のガバナー、TATのガバナーもご参加いただいて盛大にいたしております。海外には17の事務所があり、当地にもこざいます。それでタイのプロモーションをいたしております。
また、タイ政府の投資委員会(BOl:ボード・オブ・インベスティメント)は、観光産業に必要なホテル建設等には一部免税措置等の優遇策をとっています。それから、タイは電気が十分でなく、隣のラオスからも買っておりますが、電力は非常に大切なものですので、タイのホテル協会のメンバーに対してはとくに安くしていただいたり、このような目に見えないところで国の観光産業への協力をしていただいております。また、新しい観光地の開発にも力を入れ、それにともなうインフラの整備等、バンコクでの第二空港の建設等も今予定されております。現在、バンコクの道路事情は非常に悪いので有名ですが、スカイトレインの工事も進み、地下鉄も計画されております。まもなくよくなることと思います。タイをインドシナ観光の表玄関として、ミャンマーとかラオスヘの旅行も多くなっております。また、タイの隣の毘明への旅行も増えているようです。これもTATとインドシナ諸国とのジョイントプロモーションのおかげだと思います。
次に、われわれプライベーツセクターについて申しあげます。いくつかの協会がございます。旅行業界のアソシエイション・タイ・トラベルエージェント、それからこれはわれわれの協会ですがTHA(タイホテル・アソシエーション)、TlCA(タイ・インセンティブ・コンベンションアソシエイション)、これはタイ国とTATのスポンサーによって運営されている協会です。これらの協会、とくにTlCAですが、インセンティブ・コンベンション等の誘致のためにあちこち飛び回って活動をいたしております。
次に、私どもは受け入れ側のホテルにおりますので、その件でちょっと申しあげます。受け入れ側はどうなっているかといいますと、現在タイ国内には客室総数が25万5,573室ございます。この数は、ゲストハウスといって泊まるだけのところを省いた数ですが、ワンスターからファイブスターまで全部入っている数です。バンコクにはどのくらいかと申しますと、現在4万8,801室ございます。ちなみに、観光客の滞在日数もついでに申しあげますと、バンコクは2.36日です。
次に多いのはパタヤ地区なのですが、2万4,263室ございます。滞在日数は3.31日になっております。プーケットが1万8,529室ございまして、滞在日数は4.6日になっております。チェンマイは1万2,910ルームで、滞在日数が2.52日です。ただ、滞在日数にはローカルの旅行者も含まれております。観光客のタイでの全体の滞在日数を見てみますと、地区別ではヨーロッパが12.16日、オセアニア地区が8.87日、アジアが5.05日、国別ではドイツとスイスが14.11日となっております。日本はどうかと申しますと、5.52日になっております。以前と比べまして滞在日数が増えてまいりました。
一つには、今まで観光客に対しては15日間まではノービザということでやっておりましたが、それが変わりまして30日間までになりました。とくに、ヨーロッパの方は長い旅をされますので、1カ所の観光地だけではなく2,3カ所と同じタイ国内で旅行ができるようになったということです。われわれホテル業界にとっては大変ありがたいことです。ただ、いいことばかりはありませんで、タイには乾期と雨期がありまして、乾期は11月〜4月頃まで、雨期は5月〜10月までです。雨期と申しましてもスコールが1日1,2回降るぐらいのもので、一日中降っているわけではありません。当然、観光客は乾期に集中します。例えば、ビーチリゾートのプーケットですが、今現在どこのホテルでも満室の状態が続いておりますが、雨期になりますと極端に落ちてまいります。プーケットの

 

 

 

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