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われているんですけれども、おもしろい見方なんですね。
 身についたものとしてのゴミを出さないとかいうのは、できればほかの方とちょっと関連した話をしたいですので、先に非常に私がうなずいたものは、新庄さんがおっしゃったような「捨てれば粗大ゴミ、活かせば宝の山」ということなんですけれども、これも一つのドイツでは習慣になったものがあるんですよ。リサイクルというよりは再利用ですね、物の。どうしても自分がもう使えなくなる物がある。使わなくなる物があるんですよね。本当にあるんですよ。使える物だけれども使わない物。もったいないと思いますので、そのときは捨てるのではなくて、ドイツの方では新聞には「買います・売ります」情報があるんですけれども、これは物すごく大きな量なんですよ。専門新聞も出てます。
 例えば、私昔住んでいたベルリンという街で、有料の新聞なんです。値段は当時が大体180円。割と高いんですよ。週3回出てるんです。「買います・売ります」情報は、本当に「要らない靴をあげます」から、「家、建物を譲ります」までありました。
 有料、無料、何でも。車はもちろん、後は電化製品はものすごく多いんです。私もベルリンから引き上げて日本に来る前に、家に帰ったときには冷蔵庫、ベッド、安楽椅子とか、そういうものは全然要らないんですよ。家に持って帰ると大きな迷惑なんですね、家には。そうしたら、それを載せるのはただなんです。電話1本でできるんです。こういう物を売ります・ときどき何かミスプリントとかあるんですけれども、大体テープに吹き込んで、向こうの人がタイプライターでちゃんとそれを整理して、40から60ぺ一ジの分厚い新聞なんですよ。人が金を出してそれを買うわけです。物を探している人はですね。
 要するに、ちょっとステレオがほしいんですけれども、新品でなくていいんです。日本の今の風習を見ると、特に山口大学の学生なんですけどね、目茶苦茶という言葉は使わない方がいいかな相当賛沢してます。中古のテレビ買わないんですね。
 自慢話は大体「これはすごく高かったんですよ」。とか「新品で買ったぜ」とかですね。ドイツではね、全然違う自慢ができるんです。「ほらこの間ね、この新聞で見つけたんですよ。もともとこんな高い物がこんな安く手に入ったんですよ」。でも、これは、一応経済学部の先生なんですけれども、需要と供給の問題なんですね。要するに再利用してほしい、自分は使わなくても、ときどきお小遣いにもなるから、出して、そしてその要求、求める人もいるんですよ。そういう市場があるからうまくいっているわけです。で、子供のときから僕はこれでいろんな物を買ったり売ったりしているわけですね。
 リサイクルショップじゃなくて、個人個人でやるんですね。こういうのは何か街のレベルではそういう新聞とか、チラシみたいなものをつくれるんじゃないかなと思うんですけれども、ドイツではこれはもう一つの習慣になってますね。

 

 

 

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