
(1)環境の恵沢の享受と継承、少し難しい表現でございますが、それから(2)環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築、(3)国際的協調による地球環境保全の積極的な推進という3本柱になっております。これを受けて、平成7年12月に山口県は、「現在及び将来の県民すべてが健康で文化的な生活を営む上で必要とする、潤いと安らぎのある快適な環境の保全と創造を目指す」ということで、「山口県環境基本条例」が制定されました。普通の法律には、前文というのは珍しいんですが、この法律には前文というところがございまして、第何条何々の前でございます。冒頭に前文が次のように記されております。
―私たちのふるさと山口は、中央部を中国産地が走り、日本海、響灘、瀬戸内海と三方を海に囲まれ、山陰と山陽という二つの異なる環境特性を有することから、多彩で豊かな自然を形成しており、古くから私たち県民に種々の恵みをもたらしてきました。私たちは、このように環境から多くの恵みを受ける一方で環境へ様々な影響を及ぼす営みを行ってきましたが、今日の資源やエネルギーを大量に消費する諸活動は、環境への負荷を著しく増大させ、環境の有する復元能力を超える規模となり、その地球全体の環境に及ぼす影響が懸念されるに至っております。良好で快適な環境の恵みを享受することは私たちの権利であるとともに、健全で恵み豊かな環境を将来の世代に引き継いでいくことは私たちの責務であります。限りある環境の中で生きる私たちは、すべての者の参加の下に、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会を構築していかなければなりません―といったことでございます。
今後の私達のふるさとづくりというものは、このような考え方が基本理念でなければならないと思います。
美しいふるさとを後世に引き継ぐためには、今の時代に生きる私達が、県民、企業、行政、それぞれの立場で、美しいふるさとを守り、後世に引き継いでいかなければなりません。私達の時代に、ふるさとを、ふるさとの川を、ゴミに埋もれさせてはなりません。
川はふるさとの象徴でもあります。また、川は文化の源であり、飲み水や生活用水、農業用水、産業用水を供給してくれます。「ふるさとの川は美しかった」と過去のことにするのではなく、「ふるさとの川は美しい」と感じる川を後世に残したいものです。
私は、ふるさとづくりは、ゴミのない、ゴミを散乱していないふるさとを目指すべきだと考えております。
以上でございます。
それでは、引き続きまして各パネラーの先生方に御意見を頂戴いたします。
まず、中原中也記念館の福田百合子先生、よろしくお願いします。
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