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?高齢者の10人に1人が入院
高齢者の10人に1人が入院中であり、このうち、3人に1人が6ヵ月以上の長期入院となっている。なお、高齢者の疾病の主なものは、高血圧性疾患、脳出血・脳血管性疾患などの循環器関係の疾病が多い。
また、入院率は加齢に伴って高まり、85歳を超えると5人に1人が入院中となっている。
 
?高台に居住する高齢者(高齢者の住環境)
北九州市は、市域の東部と中央部に山地があるため、居住地の拡大に伴い、山際の斜面地に多くの住宅が建設されている。
特に平坦地の少ない、門司区、八幡東区では、多くの世帯が斜面地に居住しており、高台に高齢者が多い状況となっている。
現在このような居住地では、居住者の高齢化とともに家屋の老朽化も進行しており、さらに幅員の狭い道路や急勾配の階段が多いため、救急車や移動入浴車の進入が困難であるなど、斜面地特有の問題が生じている。
 
2 高齢者にやさしいまちづくりをめざした北九州市の取り組み
 
(1)高齢化社会対策総合計画の策定
 
前述したように、北九州市は、政令指定都市でありながら、全国平均を上回る高齢化が進展しており、ある意味で今後の都市部のモデルとなりうる状況にある。このような状況を踏まえて、本市では、高齢化社会対策を市政の最重要課題の一つと位置づけ、豊かな高齢化社会を目指し、積極的な取組を展開しているところである。
すなわち、高齢化という問題は、単に保健・医療・福祉の分野だけではなく、教育、雇用、住宅や公共施設などのまちづくりといった市民生活全般に影響を及ぼす問題と考えられる。そして、その解決のためには、行政はもちろん、個人、家庭、地域団体、学校、企業など地域社会を構成者が相互に役割分担をし、連携をとりながら取り組む必要がある。
そこで、21世紀の超高齢化社会に向けて、平成5年4月、「北九州市高齢化社会対策総合計画」(計面期間:平成5年度〜17年度)を、さらに平成6年3月には、この総合計画を具体化した「北九州市高齢化社会対策総合計.画第1次実施計画」(計画期間:平成6年度〜10年度)を策定した。
本市の高齢化社会対策は、この計画に基づき、在宅サービスや施設サービスなどのさまざまな施策の充実を図るとともに、北九州市の地域特性を活かした地域住民との協働により、保健・医療・福祉そして地域の連携による「新しい地域福祉のネットワーク」を構築し、地域社会全体で高齢者の自立した生活を支援していくシステムづくりを進めているところである。

 

 

 

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