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?民間住宅の普及
民間におけるバリアフリー住宅の普及促進を図るため、高齢者住宅整備資金の貸付、高齢者住居改造費の補助、住宅相談等の事業を実施しているが、現在まであまり普及が進んでおらず、バリアフリー住宅に対する金利優遇策が盛り込まれた平成8年10月の住宅金融公庫の改正とも連動して、今後積極的なPRを行っていく必要がある。
(3)福祉のまちづくり事業
?福祉のまちづくり読本等の作成・配付
福祉のまちづくり事業をソフト面から推進し、職員をはじめ市民の意識啓発を図るため、高齢者や障害者の特性、手助けの方法等についての解説ハンドブックを作成し、市職員全員に配付したほか、福祉団体、銀行協会等の民間事業者団体や福祉事務所、公民館等を通じ市民への配付を行うとともに、同様の内容をまとめた意識啓発ビデオを作成している。また、児童・生徒・高齢者向けの福祉読本の作成・配付等を行うなど、高齢社会に対応した市民の福祉意識の向上に努めている。
?やさしいまちづくり海外派遣事業
21世紀に向けた福祉のまちづくりの推進として、高齢者・障害者、ひとり親、青少年を福祉行政の先進都市であるホノルル市に派遣し、各種施設の視察や関係団体との交流、ホームステイ等を通じ、互助の精神とボランティア意識を高め、人材の育成を図っている。
(4)今後の課題
高齢者が住みよいまちづくりを実現するためには、ハード、ソフト両面でのバリアフリーが必要である。ハートビル法の施行以来、個々の建築物については、新築・改築時の指導により、福祉環境への配慮を要することが意識として定着しつつあり、バリアフリーは進展しているが、既存の建築物の整備・改善及び個々の建築物のネットワーク、公共交通機関(駅舎・車両)や身近な地域でのバリアフリー(生活道路など)については今後の課題である。また、「ショップ・モビリティ」や「タウン・モビリティ」の導入などについても、行政としての積極的な取組みを検討していく必要がある。
一方、ソフト面では、高齢者を取り巻く市民一人一人の意識啓発と高齢者自身の意識改革が大きな課題である。地域コミュニティの機能が低下し、人間関係が希薄といわれる中で、特に将来の超高齢社会の当事者となる青少年に対する福祉意識の啓発や高齢者介護等についての実体験の機会の提供は今後ますます重要になると思われる。
長年会社勤めを続けたサラリーマンにとって、地域社会は近くて遠い存在であり、社会参加に対するためらいやとまどいが「閉じこもり老人」を産む原因となる場合も多い。このような高齢者の心理的バリアをなくし、スムーズに社会参加を促進していくため、様々なイベントの開催や情報提供などによるきっかけづくりが必要である。
 
6 総合的な高齢者対策
高齢者が、地域社会の一員として、生きがいを持ち、健康で安心して暮らせるためには、「生きがいづくり」「保健・医療・福祉の連携」「バリアフリーのまちづくり」などの施策を総合的に推進することが必要である。このような観点から、広島市では以下のような事業を展開している。

 

 

 

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