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サービスの限界、制度のPR不足、行政の世話になりたくない、もしくは他人を家の中へ入れたくないという住民意識、利用に当たっての手続きの煩雑さ、サービス利用に当たっての制度的な制約等が考えられる。これに対して、センターのサービスは、電話一本で申し込むことができ、面倒な手続きが不要であるという手続き面の簡易さ、サービスの提供者が自分と同世代の高齢者であるという利用者にとっての安心感、またサービスがセンター会員自身の生きがいにつながるというインセンティブなどの面が利用を促進していると思われる。
V 問題点と課題
センターのサービスは、公的サービスの肩代わりではなく、あくまでもその補完的な事業と位置づけられており、例えば1軒の家庭に、ホームヘルパー、家政婦、センターの会員が共同して対応している例もある。今後ますます増大・多様化することが予想される福祉ニーズに対応するためには、こうした公的サービス、民間サービス、住民参加型のサービス等の連携と役割分担・サービスメニューの多様化、サービスの利用者と提供者とのコーディネートの仕組みづくりなど、制度面・内容面での充実が一層必要となろうが、最も重要なことは利用者本位のサービスであり、センターの事業はこの面での参考となるものと思われる。
(センターの福祉・家事援助サービスを住民活動の面から考案したレポートとして、「地域づくりにおける住民活動と大都市行政に関する調査研究報告書(平成3年3月(財)自治総合センター)216P以下があるので、参照されたい。)
(2)高齢者の余暇活動の支援
?生きがいづくり活動の支援
高齢者の生きがいづくりを組織的に支援するため、平成2年度広島市老人クラブ連合会を財団化したのをはじめ、平成5年度には(財)広島市いきいき財団を設立し、高齢者サークル活動活性化モデル推進事業・高齢者作品展開催事業等の実施による高齢者の社会参加、グループ活動・サークル活動の支援等を行っている。
?生涯学習の支援
余暇時間の増大に伴い、高齢者の生涯学習や文化活動に対する意欲が高まっていることへの対応として、平成8年度、公民館管理運営の委託の受け皿ともなる(財)広島市ひと・まちネットワークを設立し、生涯学習誌の発行、アジア草の根交流事業、さわやかふれあい事業(地域のまちづくり、ボランティア活動等に関する討論会や各種学習機会の提供)など公民館活動を中心とした生涯学習の振興施策を推進している。また、市民ニーズや社会的課題等に基づく新たな学習プログラムの研究開発、既存施設では対応できない新たなメディアを活用した学習機会の提供、市民のニーズやレベルに応じた学習相談サービスや情報提供、学習成果の活用システムの整備などの機能を有した、生涯学習拠点施設(まちづくり市民交流プラザ)を、平成14年度の開館を目指し、小学校の改築に合わせて整備することとしている。
?ボランティア活動の支援
高齢者のボランティア活動を支援するため、市社会福祉協議会のボランティア情報センター等において、広報活動、養成講座等の開催を行っているが、自主的、自発的な市民活動に、より多くの市民が参加できるような「きっかけづくり」、現在活動しているグループ・団体が、

 

 

 

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