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も実施している。
(2)震災関連事業としての社会参加促進の基盤づくりについて
仮設住宅入居者に占める高齢者世帯の割合は約41.7%である。また経済的な状況でいえば、世帯の40%近くが年金生活者であり、年収では300万円未満の低所得者が70%を超えている。
仮設住宅入居者の抱いている不安の中でも大きなものは、経済的な面、近隣との人間関係や見知らぬ土地への移転であり、上のデータを裏付ける形となっている。ただ、これらの不安は、大都市の高齢者が多かれ少なかれ共通にかかえている不安であり、神戸の場合は、震災により、顕在化したものと考えられる。
被災高齢者の社会参加促進については、前述の「神戸の生活再建支援プラン」中に、既存施策と今後推進する新規施策を併せて体系づけている。主な施策を以下に紹介する。
?地域コミュニティづくり
高齢者等が恒久住宅入居後、地域で安心して自立した生活を送ることができるよう新たなコミュニティを形成していく必要がある。このため地域交流事業等の実施などコミュニティ再生に向けた積極的な取り組みが必要である。また、仮設住宅においては、一人暮らし老人等に対して、地域見守り活動を展開してきたが、今後は、恒久住宅入居後においても、地域コミュニティが形成されるまでの間、生活支援員の派遣やネットワークづくりなど地域見守りを実施していく必要がある。
i 地域コミュニティ再生事業
孤独死の防止等住民参加による被災者支援活動を推進するため、コーディネーターを配置し、区社協の相談機能を強化するとともに、地域交流事業によるコミュニティの再生事業や地域見守り活動を積極的に展開する。
ii 「元気アップ神戸」市民運動の展開
これから本格化する復興に向けて各種の地域団体組織が相互に連携し、被災市民全体の自立支援、生活復興のための息の長い取り組みとして、「元気アップ神戸」市民運動を展開することにより、被災市民ばかりでなく市民全体がこころの元気を取戻し、希望を共有することにより、1日も早く神戸の復興が実現することを目的とする。

 

 

 

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