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また、住環境の整備という点では、「京都市人にやさしいまちづくり要綱」を策定して、すべての人が安全で快適に暮らせる環境整備に努めているが、今後とも、公共交通車両の改善、歩道の整備、路上駐車やはみ出し自動販売機の対策など、高齢者や障害のある者に配慮した環境改善を推進し、だれもが暮らしやすいまちづくりの実現に取り組んでいかなければならない。
 
(4)生涯学習と社会参加
次に「生涯学習と社会参加」であるが、人生80年時代の中で、高齢期をいかに暮らすかは市民にとって大きな問題である。高齢者も、元気な京都を創造する有力な担い手の一員であり、社会からの孤立化を防止し、社会活動への積極的な参加を促していかなければならない。
地域では、文化・スポーツの両面からいろいろな活動が広がりつつある。京都市でも、様々な情報の提供、イベントを通じた啓発、各種事業による機会の提供に努めている。また大学をはじめ各種団体も、講座やシンポジウムを開催するなど、青壮年層から高年齢層まで幅広い取組が進んできている。
しかし、実態調査の結果をみた場合、学習活動や社会奉仕・ボランティア活動等の社会活動への参加率はあまり高くない。(図9参照)
また、高齢になるほど、要介護度が増すほど日常生活で「何もしていない」の比率が増し、社会的な孤立がうかがえる。
今後、さらに地域での社会参加活動の輪を広げていくためには、活動を担うリーダーの育成や、活動のノウハウあるいは活動場所等に関する情報提供に努めていく必要がある。また、高齢者といっても、65歳と85歳では親子ほどの年齢の開きがあり、行政も民間も年齢層や身体状況に応じた活動のメニューを考え、機会を提供していくことが大切である。
 
(5)高齢者福祉の充実
最後に「高齢者福祉の充実」であるが、京都市では、先に紹介した「京都市高齢者保健福祉計画」等に基づき、在宅福祉及び施設福祉の両面から各種サービスの大幅な拡大を図ってきている。
しかし、実態調査の結果をみても、さらに介護サービスヘのニーズは増加していくのは確実である。調査結果では、介護が必要となったときに希望する介護の形態で、高齢者の6割が在宅での介護を希望しているが、その在宅

 

 

 

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