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2「人にやさしいまちづくり」施策の事例紹介
(1)社会参加促進のための方策
?名古屋市高年大学鯱城学園
年を取るとどうしても自宅に引きこもりがちになりやすいが、積極的に街に出て、様々な活動に参画していくことは生きがいの点、あるいは健康増進の点からも意義のあることである。特に、今後、超高齢社会を迎えると寝たきり老人が増える一方で健康なお年寄りも増加し、高齢者の間でのバリエーションが増加する。健康なお年寄りの中には自分がこれまで培ってきた知識、ノウハウを社会に役立てたいと考えている人、あるいはもっと勉強して地域社会に還元したいと考えている人など、様々な人たちがいる。そういった意欲的なお年寄りの人たちが学習できる場を提供することにより、地域活動の核となる人材を養成する目的で設立されたのが「名古屋市高年大学鯱城学園」である。
この高年大学は昭和61年4月に開学しており、運営は本市の委託を受けて社会福祉法人名古屋市社会福祉協議会があたっている。さらに、学識経験者などで構成される運営委員会が設置され、運営について様々な相談にあずかっている。目標は、専門分野に関する知識・技能を高めるとともに、学生会の諸活動・クラブ活動などの「自主活動」を適して体験を深め、そういった成果を「社会参加」に結び付けることにある。これまで(平成3〜7年度の最近5年間)に総計2,250人が入学し、1,857人の卒業生を輩出しているが大変人気が高く、競争倍率は平均4.4倍で、入学した生徒のほとんどが卒業しており、中途退学がほとんどないというのが実情である。
(写真1)
修業年限は2年、応募資格は市内在住の60歳以上で健康で学習意欲のある人となっている。入学者の決定は公開抽選で行われている(一部推薦入学あり。また、3年連続の落選者には特別抽選あり。)。学科は当初、生活学科、文化学科、園芸学科の3学科でスタートしたが、順次増加してきており、昭和62年には陶芸学科が新設され、さらに平成8年にはこれまで生涯教育センターの一部を間借りしていたが、6,236?の専用校舎が新設されたのに伴い、地域学科、健康学科、美術学科の3学科が新設され、現在では2年制7学科18クラス780人と充実されてきた。登校は週2回で年間登校日数は80日程度である。学費に関しては入学金5,000円、授業料は、

 

 

 

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